よくわかる不動産物件調査の流れ | 目的と注意点も合わせて解説

不動産売買の大きな特徴として「売主に売ろうとする対象物に関する知識がない」ことがあげられます。

一般的に商品の売買では、売主が販売するものに対する知識が豊富で、利用方法や使用により得られる効果を丁寧に説明するものです。しかし不動産はまったく異なります。

売主に代わり対象不動産の詳細を買主に説明し、取引方法や条件を整え安全で安心な取引をおこなうことが媒介業者の役割です。

そのために必要なことが取引対象となる物件の調査を入念におこない、正確な情報と理解が得られるよう説明することが求められます。

調査不足が原因となり取引当事者に損害を与えた場合は、宅建業法による監督処分を受けることもあり、さらに民事上の損害賠償責任を問われることも。

物件調査は不動産売買のプロセスで非常に大事な業務ですが、ここではその概要について解説していきます。

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不動産物件調査の流れ

物件調査は以下のような順番で進めることが一般的です。

売主からの聞き取り

現地調査

登記事項調査

役所調査

インフラ施設

マンション管理組合

順にそれぞれの概要を説明していきます。

売主からの聞き取り

1. 借入先

住宅ローンやその他借入先などを確認します。

ほとんどは抵当権の設定がありますが、共済組合の住宅融資のように抵当権設定がない場合もあり、返済に充当する場合は売却代金の資金使途になるので確認しておきましょう。

2. 借入残高

借入残高がわかる「返済予定表」などを見せてもらい、売却代金で一括返済する金額を確認しておきます。

3. 税金などの滞納

税金・マンションの管理費・修繕積立金など、引き渡し時に清算する対象となる未払金の確認です。

4. 法定相続人

引き渡しまでの期間に売主が亡くなる、あるいは成年後見人を立てる必要性など、相続人との協議が必要になる場合に備え相続人の存在や連絡先を確認しておきます。

5. 収益

賃貸物件の家賃・共益費や敷金、電力会社の電柱借地料や地役権にもとづく借地料など、引き渡し時に清算対象となる収益金の確認。

6. 第三者の占有

賃貸借・使用貸借・不法占有など占有状況を確認します。

7. 付帯設備及び物件状況確認書

売買契約時に買主に提出する「付帯設備及び物件状況確認書」の内容を、前もって確認しておきます。

 現地調査

1. 地勢

平坦地か傾斜地かなどと付近にある崖の存在など、「役所調査」での調査内容に関係する物件状況を確認しておきます。

2. 隣接地利用状況

重要事項説明に隣接地の利用状況を説明するケースもあります。隣接地所有者情報は境界確認にも必要であり、登記事項の調査に加え現地での調査も必要です。

3. 交通機関

最寄り駅やバス停などの交通機関に関する情報は、インターネットによる地図情報と異なることもあり、必ず現地での確認をおこないます。

4. 公園や利便施設

学校区や学校までの距離は買主にとって重要な関心事ですが、ほかにも公園や商店街など生活利便施設の充実度は物件価格にも影響を与えます。

登記事項調査

1. 対象物件の調査

登記簿謄本(登記事項証明書)、地積測量図、公図の3点は法務局で必ず取得し調査する資料です。最近はオンラインでも取得できるようになりました。測量図に関しては “地籍調査” をおこなった区域や、自治体が区画整理事業をおこなった区域など、法務局では入手できない場合には自治体の担当部署で取得します。

2. 隣接地調査

隣接地に関しては登記簿謄本の閲覧か登記事項概要書を取得するのですが、これもオンラインで取得できるようになりました。

役所調査

1. 建築基準法関係・都市計画法関係の調査

都市計画や開発行為に関する制限内容、用途地域による各種の制限内容は自治体で確認。道路の種類と幅員の調査は自治体または都道府県道と国道は都道府県の担当部署でおこないます。

既存建物がある場合は建築確認や検査済証の交付確認が必要です。自治体では、建築計画概要書・建築確認済証・検査済証に関する記載をまとめた「建築証明」を交付する自治体が多くなっています。

2. その他の法令関係の調査

宅地建物取引業法施行令第3条では、説明すべき法令による制限として、建築基準法と都市計画法及びその他の法令を53項目指定しています。対象物件に関わる制限の内容は自治体の担当部署で確認します。

参考:宅地建物取引業法施行令第3条

 インフラ施設

上水道・下水道・ガス・電力の供給状況と設備の詳細を調査し、設備に必要な費用負担の有無も確認します。

調査は自治体の担当部署や供給企業にて図面の交付を受け、設備の整備計画についても確認しましょう。個人情報に関わる内容も調査する場合は「売主の委任状」が必要になることもあります。

マンション管理組合

分譲マンションの区分所有物件の売買では、管理組合に関することも重要な調査事項です。

1. 管理規約・管理規則

管理規約・規則の内容について重要事項説明の対象となる項目について確認します。

2. 管理費・修繕積立金

管理費・修繕積立金の月額、滞納金額や積立残高に関わることを調査します。

3. 管理に係る重要事項調査報告書

管理組合は管理会社に業務委託することが多く、管理会社に申請すると「管理に係る重要事項調査報告書」の様式にしたがった報告書を交付してもらえます。

参考:一般社団法人 マンション管理業協会/管理に係る重要事項調査報告書

調査シートの作成

調査項目がたくさんあり漏れのないようにしなければなりません。下表のような調査シートを作成するのも方法です。

調査先 調査項目 調査結果
売主からの聞き取り 借入先
借入残高
税金などの滞納
法定相続人
収益
第三者の占有
付帯設備及び物件状況確認書
現地調査 地勢
隣接地利用状況
交通機関
公園や利便施設
登記事項調査 対象物件の調査
隣接地調査
役所調査 建築基準法関係・都市計画法関係の調査
その他の法令関係の調査
インフラ施設 上水道
下水道
ガス
電力
マンション管理組合 管理規約・管理規則
管理費・修繕積立金
管理に係る重要事項調査報告書
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不動産物件調査時に特に気を付けること

不動産売買における物件調査の内容は多岐にわたり、いずれも買主の購入判断に影響を与える重要な事項です。特に次の3点はより重要といえるでしょう。

  1. 売主の本人確認
  2. 権利関係の明確化
  3. 法令による制限

調査不足などにより取引が成立しない、または買主の利用目的が達せられないために契約解除になると、媒介業者の「善良な管理者としての注意義務」が問われます。

民事上の責任により損害賠償請求を受けることもありますので、十分に注意したいポイントです。

売主の本人確認

大手ハウスメーカーが騙された「地面師事件」は記憶に新しいところです。売主と偽り売買契約を締結するなどは極端な事例ですが、売主と思っていたら実は売主の権限がなかったということは起こりうることです。

  1. 相続登記したのちに所有権を買主に移転する予定が相続できなかった
  2. 所有権移転の意思確認を司法書士がおこなう時点で売主の認知症が悪化しており意思確認ができない
  3. 他人物売買契約において売主が真の所有者から所有権移転をおこなえなかった
  4. 売主が所有者と偽り売買契約を締結した

本人確認は契約時に「本人確認書類」にて義務付けされていますが、書類だけは整っていても実質的な本人確認や権限の確認ができていない場合があります。

権利関係の明確化

所有権の移転を阻害する原因として登記される権利には以下のものがあります。

  • 差押
  • 破産
  • 買戻し特約
  • 各種仮登記
  • 抵当権・根抵当権
  • 質権
  • 地上権
  • 賃借権

なかでも賃借権は登記しないことも多く、登記上の権利設定はないのに有効な借地権が存在しているような場合もあります。

登記された各種権利の解除や抹消の確認と、登記されていない権利の解除について明確にし、所有権移転が確実におこなわれるよう確認しておく必要があります。

法令による制限

買主の利用目的に大きな影響を与えるのが「法令による制限」です。第1種低層住居地域では単独店舗は建てられない、10メートルまたは12メートルを超える建物は建てられないなど、さまざまな制限があります。

取り引き時点での購入目的がのちに変更され、結果的に目的に達することのできない状態になることもあります。

法令による制限は思わぬ形で買主に不利益を及ぼす可能性があり、媒介する専門家としてはあらゆることを想定した調査と説明が求められるでしょう。

また制限を及ぼす法令は多岐にわたり、法令や規則及び告示の改正はひんぱんに行われるので、漏れがないよう隅々までチェックする姿勢が大切です。

まとめ

物件調査の概要を説明しました。実際の調査ではより詳細な部分でチェックしたいポイントなどもあります。

建築基準法や都市計画法、不動産登記法や民法における権利関係の規定など、総合的な知識も必要とされる業務です。

実際の調査に赴き戸惑うことがあるかも知れません。疑問に思うことがでてきたら納得のいくまで調査をすることが大事です。常に不動産のプロである自覚を持ち取組むようにしましょう。

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