不動産営業マンが覚えたい電話マナー|10分ルールとクッション言葉で通電率を上げる

不動産営業マンが覚えたい電話マナー|10分ルールとクッション言葉で通電率を上げる

不動産営業は接客業に通じるところがあり、お客様とのコミュニケーション能力が成果を大きく左右します。

中でも特に大事なのは、お客様の話をよく聞き、何を望んでいるのかを正確に把握することです。新人営業マンが入社後にまず身につけるべき基本スキルが、コミュニケーションツールとしての電話マナーです。

小学生の頃から電話を駆使して友達と連絡を取り合っているのが現代ですが、ビジネスシーンには友達同士とは異なる独自のルールがあります。

本記事では、不動産営業のビジネスマンとして最低限知っておきたい電話マナーと、通電率向上テクニックまで解説します。

不動産営業マンが覚えたい電話マナー|お客様のタイプ別電話対応のポイント

不動産営業では、お客様から問い合わせの電話を受けることが多く、お客様のタイプと目的によって対応のポイントが変わります。

お客様の種類主な目的摘要
①売却検討客査定の依頼、売却に関する一般質問税金、費用、税率、軽減措置
②購入検討客内覧の申込、販売中物件の詳細質問金額、引渡し時期、学校区、ローン
③対応中の客内容はさまざま担当者がいる、進行中の案件

①と②のお客様のほとんどは、初めて電話をかけてくる方です。

一方、③の対応中のお客様にはすでに担当者がいるため、対応方法が異なります。

本記事では3つのシチュエーション別に電話の受け方・かけ方を解説します。

①初めてのお客様への対応

不動産売却を検討されているお客様や購入を考えているお客様からの電話は、まずお客様の目的を把握することが何より大切です。

お客様には2タイプあります。

タイプ特徴
目的明示型「○○の件で電話しました」と最初に目的を伝える
目的後出し型長々と話して、最後にやっと目的が明らかになる

初めてのお客様からの電話を受けるポイントは、話をよく聞き目的を理解することと、目的に合った答えを返すことの2つです。

シーン別の対応

販売中物件の内覧希望や査定希望のお客様には、電話を受けたスタッフが担当できる場合は、予定を聞いて具体的な打ち合わせをそのまま行います。

担当が別にいる場合は、

「担当から連絡するようにいたしますので、ご連絡先をお願いいたします。担当は○○というものです」

と伝えるのが丁寧な対応です。

税金や住宅ローンに関する一般的な質問

質問内容対応のポイント
譲渡所得税・取得税中古/新築、所有期間、用途で変わるため正確に
住宅ローン控除最新の制度内容を把握して回答
金利・返済年数直近の金利動向を踏まえて説明
仲介手数料法定上限と自社規定を明確に

これらは日頃から勉強しておくと即答できますが、曖昧な記憶で話すのは絶対に禁物です。

正確な情報を答える必要がある場合は、

「お調べしてから折り返しお電話いたします」

と一旦電話を切るのが正しい対応です。

「適当に答えて後でクレーム」より、「調べて折り返す」方がはるかに信頼を得られます。

10分ルール:反響電話は受信から10分以内に折り返す

不動産業界の常識として、反響電話の折り返しは10分以内が基準とされています。

折り返しまでの時間通電率の目安
5分以内70%以上
10分以内60%程度
30分以内40%程度
1時間以内30%程度
24時間以上10%以下

特に一括査定サイト経由のお客様は、複数社に同時に問い合わせをしているケースが多いため、最初に折り返した会社が大きく有利になります。

②対応中のお客様への対応

受話器を取った相手が偶然自分のお客様だった、というのはよくあるシーンです。

「あ、○○様、本日はどうなさいましたか?」

明るく対応するのが常識です。

すでにコミュニケーションが取れているお客様ですから、特別気をつけることは少ないですが、仲良くなりすぎて知らぬまに失礼な対応をしてしまうケースもあるので注意が必要です。

別の営業マンが担当するお客様からの電話を受ける場合

対応項目ポイント
お客様の名前必ずメモする
担当者名確認する
用件詳細にメモを取る
日時の確認必ず復唱して確認
帰社時間伝える(外出先は教えない)
自分の名前名乗る
折り返し連絡担当者帰社後に連絡する旨を伝える
社員への敬称つけない(「○○さん」ではなく「○○」)

特に日時の間違いは厳禁です。

「来週の火曜日、14時、御社にお伺いする予定で承っております」のように、必ず反復して確認しましょう。

③共通する電話マナーの基本

電話を受けるとき

マナー内容
3コール以内に出る4コール超過は「待たされている」印象を与える
明るいトーン聞き取りやすい声で会話
受話器を置く順番相手が切ったのを確認してからやさしく置く
ながら電話の禁止パソコンや資料を見ながらの会話は厳禁
メモの準備電話を取る前に必ずメモ用紙とペンを手元に

「3コール以内」は社内の合言葉にすることをおすすめします。

1コール以内で取ることを競争している会社もあり、社内に活気が生まれる副産物があります。

電話をかけるとき

マナー内容
時間帯日中でも相手の忙しい時間(朝一・昼休み・終業前)は避ける
名乗り社名と自分の名前を最初に伝える
本人確認お客様本人が出ているか確認
用件のテーマ「○○の件でお電話しました」と先に伝える
不在時の対応帰宅時間を確認し、再度電話する旨を伝える
締めの挨拶アポの日時など重要事項は復唱、挨拶して終了

これらは電話対応の基本中の基本ですので、必ず覚えておきましょう。

不動産営業が覚えたいクッション言葉とマジックフレーズの活用

不動産の電話営業で、印象を大きく変えるのがクッション言葉とマジックフレーズです。

クッション言葉の例

シーンクッション言葉
質問する時「恐れ入りますが」「失礼ですが」
依頼する時「お手数をおかけしますが」
断る時「申し訳ございませんが」「あいにく」
待ってもらう時「少々お待ちいただけますでしょうか」
確認する時「念のため確認させていただきますと」

これらの言葉を文頭に添えるだけで、機械的なやり取りが格段に丁寧な印象に変わります。

マジックフレーズの例

シーンフレーズ
ヒアリング前「○○様のご希望に最適な物件をご紹介したいので、いくつかお聞きしてもよろしいでしょうか」
アポ取得時「○○日と××日のどちらがご都合よろしいでしょうか」
価格交渉時「ご予算内で最大限のご提案をさせていただきたく」
失念謝罪時「ご指摘の件、確認の上すぐに折り返しご連絡いたします」

「YESかNOで答えられない聞き方」「お客様にメリットがある言葉選び」を意識することで、アポ獲得率が大幅に向上します。

目的別の電話戦略(売却・購入・賃貸)

不動産営業の電話は、お客様のタイプによってゴール設定が異なります。

お客様のタイプ電話のゴール重要ポイント
売却検討客訪問査定アポの取得「正確な査定にはお伺いが必要」で訪問理由を作る、電話で概算を伝えない
購入検討客内見アポの取得物件の魅力を簡潔に伝え「見に行きたい」を引き出す
賃貸検討客当日・翌日の内見提案スピード勝負、迷っている時間が他社流出のリスク

ゴール設定が曖昧だと、長々と話して何も決まらない電話になってしまいます。電話前に必ず「この電話で何を獲得するか」を明確にしてから架電しましょう。

通電率の目安と切り替えのタイミング

業界標準として、通電率・アポ率の目安は次の通りです。

指標業界標準改善余地
通電率50%以上40%以下なら架電タイミングを見直し
アポ率(通電者中)15〜25%10%以下ならトークスクリプト改善

5回架電しても通電しない場合は、メール・LINEに切り替えるのが現代の主流です。

「電話でしか連絡しない」会社は、お客様への取りこぼしを生み続けます。

切り替えの判断基準
  • 5回架電して通電しない場合
  • お客様から「メールがいい」「LINEで連絡してほしい」と明示された場合
  • 長期検討(半年以上先)で電話の頻度が顧客負担になる場合

切り替え後も、条件にぴったりの物件が出た時や状況確認(3ヶ月に1回程度)は電話に戻すのが効果的です。

嫌われる電話営業の特徴と回避法

電話番号ベースで評判や口コミを投稿できるWebサイトが普及している今、迷惑な電話をかけ続けると、会社や営業マン個人の悪い評判がネット上に永続的に残るリスクがあります。

特に避けるべき行為

NG行為理由
早朝・深夜の電話プライバシー侵害、強い不快感
着地点のないトーク時間泥棒、目的不明の話
執拗な切り返し切らせない営業は迷惑行為
業務時間中の繰り返し電話業務妨害と捉えられる
約束を守らない信頼を完全に失う
マシンガントーク言いくるめようとする印象

「断られたら一旦引く」「次回の連絡は適切な間隔を空ける」という基本が、長期的には成果を生みます。

まとめ

電話はビジネスマンの基本ツールです。

「使いこなせて当たり前」と言われる一方、ルールやマナーには、コミュニケーションを円滑にする秘訣のようなものが含まれています。

押さえるべきポイント内容
受信時の基本3コール以内、明るいトーン、ながら電話禁止
発信時の基本名乗り、用件先出し、復唱、相手が切ってから受話器を置く
反響電話10分以内の折り返しで通電率60%以上
言葉選びクッション言葉とマジックフレーズの徹底活用
目的別戦略売却→訪問査定、購入→内見、賃貸→即日内見
切り替え判断5回架電で通電なし→メール・LINEへ
2026年の追加要素AI電話システム、録音活用、CRM連携

新人の頃は気をつけてできていたことが、ベテランになると自己流に変わってしまうこともあります。

時々思い出して、電話マナーの基本に立ち返ることが、長く信頼される営業マンの秘訣です。

加えて、AI電話システムや録音分析、LINE併用など、2026年の最新ツールを使いこなすことで、ベテラン以上の効率と精度を新人でも実現可能です。

基本マナーと最新ツールの両輪で、選ばれる営業マンを目指しましょう。

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