不動産業界は独立しやすいという話を聞いたことがある方も非常に多いと思います。
全国商工リサーチの調べによると、全業種で年間130,000社が新設立され、そのうちの約5,900社が不動産業種です。
これだけたくさんある産業のなかで、約5,900社が不動産会社の新設なのですから、いかに不動産業界の新規参入が多いのかわかります。
今回は「不動産業界が独立しやすいといわれるのか?」について解説いたします。
Tips
不動産業界が「独立しやすい」と言われる3つの理由
まず不動産業界で独立しやすい3つの理由は以下の通りです。
- 営業力があれば独立できる
- 開業資金が安い
- 人が採用しやすい
1.営業力だけで独立できる
不動産会社の独立は営業力があれば可能です。
実際に不動産を長年やっている人の話を聞くと
という話をよく聞きます。
モノづくりであれば「モノ」を作るためのノウハウが必要です。小売りであれば、物流網や集客のノウハウが必要です。
では不動産業は?というと、優秀な営業マンが一人いて、その営業マンにお客様がついていれば、それだけで会社の年間の予算を達成できるということもあり得ます。
事実、多くの不動産会社の創業者である社長は優秀な営業マンであることが多いです。
他の業界は営業力以外の要素もかなり重要になってきますが、独立したての不動産会社において言えば、営業力が最も重要といえるでしょう。
課題
「営業力」という属人的なスキルは定型化しにくく、組織を大きくしていく際にはノウハウにできないという側面もあります。そのため人によって出来る出来ないに大きな差が出てしまいます。
独立して一生1人でやっていくのであればいいですが、ほとんどの創業者が会社を大きくしたいという願望を持っています。
営業ノウハウを組織全体に伝達する能力がなければ、独立しても組織が大きくなることはないでしょう。
営業ノウハウを伝達できない会社が多いからワンマン社長が生まれてしまうんですね
2.開業資金が安い
不動産会社は開業資金が比較的安いです。
開業資金は向こう3ヵ月の営業資金も考慮し、500万円程度あれば十分に足りるでしょう。(もっと抑えることも可能です。)
開業資金の内訳としては
- 法人登記(30万円程度)
- 事務所費用(敷金・礼金2か月分ずつ)
- 宅建協会への加入(150万円)
事務所に関しては、マンションの1室でSOHOでもいいですし、今ではコワーキングスペースもありますので、事務所にお金をかけずに開業することが可能です。
参考売買仲介業であれば、設立当初はワンルームで、小さな電話機さえあればいいですし、打ち合わせもカフェで済ますことができます。大きな事務所を構える必要はないでしょう。
これが飲食業であれば、「店舗費用」「内装費」「備品」など、700万円~1200万円、さらに人件費がかかりますので、1,500万円程度は開業資金として確保しておきたいです。
開業資金 | |
不動産 | 500万円(もっと抑えることができます) |
飲食業 | ~1,500万円 |
他の業種と比較しても、開業資金が安いのも独立しやすい要因といえるでしょう。
3.人件費が掛からない
不動産会社は人件費が掛かりません。
全国に12万社あるとされる宅建業者のなかで、85%が中小不動産会社です。その中小不動産会社の多くは、「固定給が低く・歩合を高く」設定しています。
例固定給5万円+歩合
固定給を低く設定することで、もっとも会社経営で負担となる固定費(人件費)をかけずに人を採用し働いてもらうことができます。
フルコミッション制(完全歩合)
不動産業界にはほかの業種ではあまり見ることのないフルコミッション制(完全歩合)があります。
フルコミッション制とは「固定給はゼロ。売り上げを上げた分だけ給料を支払う」というもので、会社からすれば無駄な人件費を支払わなくて済む制度です。
会社からすれば売上げが上がった分だけ支払えばいいですし、営業マンとしてもその分がっつり稼ぐことができるので非常に無駄のない制度となります。(合う合わないはあります)
他の業界は必ず「固定給」がありますが、従業員を採用しても固定給を必要としないというのも不動産業界が独立しやすいといわれる理由の一つです。
独立しやすいのと稼げるのは全然違います
おそらくこのページを見ている方の多くが不動産業界での独立に少なからず興味を持っている方だと思います。
不動産業界は確かに独立しやすいですが、稼ぐことができるのかというとそれはまったく違います。
きちんと戦略を立てて、営業活動をしないとあっという間に淘汰されます。
不動産会社は年間5,900社が開業していますが、反面で5,000社以上が廃業しています。廃業間近(実質企業活動停止)している企業も含めるとその数は膨大です。
簡単に独立できるから、という理由だけで不動産会社を始めると、借金だけ膨らんでいき、夢の独立どころではなくなります。
参考特に不動産業界を少し経験して独立、開業する方の失敗が増えています。失敗の理由は下記の記事でも解説していますので、興味のある方は合わせてご覧ください。
まとめ
不動産業界が独立しやすい理由は
- 営業力があれば独立できる
- 開業資金が安い
- 人が採用しやすい
の3つが主な理由となります。
独立しやすいとはいえ、そのほとんどは新設してから数年で廃業してしまいます。
すぐに独立をするのではなく、着実に力を付け、経営を勉強して勝算がある場合のみ独立することをおすすめします。
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