大家さんに提案したい、入居率UPのための募集条件変更4選

大家さんに提案したい、入居率UPのための募集条件変更4選

大家さんから受ける相談のうち、最も多くて深刻なのが

「空き部屋をなんとか埋めてほしい」

というものではないでしょうか?

私自身、不動産業界に15年以上いましたが、大家さんからの相談で一番多いのが空室問題でした。

また、現在貸家業をしていますが、空室対策をしっかりしてくれる管理会社さんは本当に頼りになります。

大家さんは、家賃が入ってはじめて成り立つ商売です。

空室が長く続けば、最悪の場合にはクレームに発展しかねません。

そこで今回は、大家さんの空室の悩みを解決できる方法を、管理会社のみなさんにお伝えしようと思います。

どれも、私が経験済みで効果のあったものばかりです。

あわせて、それぞれの対策をする際の注意点も書いておきました。

みなさんのお役に立つと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ペット可のお部屋にする

入居率UP,募集条件

ペットは家族の一員であり、ペットなしの生活は考えられないという人も多いのではないでしょうか。

賃貸物件に住む人たちにも、ペットを飼いたいというニーズは高まっています。

一方、「ペット可」の賃貸物件の数は少ないため、「ペット可」にすることは、強力な武器となります。

ペット可物件のメリット・デメリットは次のとおり

【メリット】
・ペット可物件は希少性があり、他の賃貸物件との差別化が可能
・特別なリフォーム等は不要なため、資金面での初期投資がない

【デメリット】
・ペットの飼育は、室内に臭いが残りやすい。
・フローリングや壁紙のダメージ等、退去後の原状回復費用が多めにかかる。

ペット可物件にする際の注意点をまとめてみました。

「ペット可」物件の注意点!

1.以前からの入居者への配慮をしっかり行う
2.飼育可能なペットは猫または小型犬、1匹にする
3.敷金は、通常よりも高めに設定する:(例)家賃の2ヶ月分
4.入居者の原状回復義務を明確化する

少し説明します。

ペット可物件に変更する際には、以前からの入居者への配慮が不可欠です。

丁寧に説明をして、納得してもらう必要があります。承諾書へのサインがもらえれば万全です。

稀に「ペット不可であったこともお部屋選びの基準だった」という方もいらっしゃるので注意が必要で、特にアレルギーや喘息など、体質的にやむを得ないご事情などもありますのでそういった入居者様には特に配慮が必要です。

退去後の原状回復費用は通常の物件よりもかかりますから、多くの場合で敷金は1ヶ月分多めに預かります。

ちなみに、既に住んでいる入居者の中には「自分も飼いたい」といった申し出をされる方がいらっしゃるかもしれません。

そうした場合、敷金や退去時のクリーニング費用など、新たな条件で書面を取り交わしておいたほうが無難です。

これは新入居者も共通ですが、退去の際には「ハウスクリーニング(消臭付き)」を入居者負担で行いたいので、その旨を契約書類に明記しておくと良いでしょう。

2.外国人労働者や留学生を受け入れる

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最近は、外国人労働者や留学生が本当に増えました。

また、日本は少子高齢化の影響で人口減少が進んでいます。

これからの賃貸経営は、外国籍の方々を積極的に受け入れていくことが、勝負の分かれ目になります。

ただ、外国籍の方に部屋を貸すと、トラブルになることが多いという話も聞きます。

よく耳にするトラブルは、次のようなものでしょうか。

・保証人を見つけるのが難しい
・退去後の原状回復義務でもめてしまう
・入居時のマナー違反:(例)ゴミ出しのルールを守らない等
・生活習慣や文化の違いによる認識のズレ

しかし、これらのことは、管理する側の対応しだいで解決可能です。

外国籍の方に入居してもらう際には、以下の点に注意しましょう。

入居の際の注意点!

1.保証人が見つからない場合は、外国人専門の家賃保証会社を利用する
2.賃貸借契約時に、原状回復義務の説明を十分に行う
3.「禁止行為」の項目を、通常より多めに賃貸借契約書に記載する
4.日本の習慣や日本固有のルールを、書面でしっかり説明する
~私の体験談~
私は現在大家をしていますが、外国籍の方にも入居していただいています
今までで一番印象に残っているのが、台湾からの女子留学生の方です
彼女は大学で日本語を専攻していたため、コミュニケーションの面では、ほぼ問題はありませんでした
ただ、生活習慣の違いで問題が発生したことがありました
彼女はよく料理をするのですが、油をはじめ様々なものをシンクに直接流してしまうのです彼女が入居して半年で、2度ほどパイプのトラブルが発生しました
トラブルの度に管理会社の社員さんが、日本のルールを丁寧に説明してくれたようです
その甲斐もあって、その後約3年半はトラブルもなく入居してもらい、退去もスムーズにいきました
管理会社の社員さんの対応に、感謝したことを今でも覚えています…

3.SOHOとしての利用を検討してもらう

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SOHO(ソーホー)とは、”Small Office Home Office” の略で、小さな事務所や自宅で仕事をすることをいいます。

個人事業主やフリーランスの増加、昨今のコロナウィルスの影響で、「在宅ワーク」用の賃貸物件の人気は高まっています。

場所や時間にとらわれない働き方は、今後のメインストリームとなっていくでしょう。

増加するニーズをうまく取り込み、入居率UPにつなげたいものです。

「SOHO可」の物件にする場合には、次の点に気をつけましょう。

「SOHO可」物件の注意点!

1.Wi-Fi など、ネット回線を整備してもらう
2.不特定多数の人が出入りする業種・業態はさける
3.必要に応じて、設備の追加や部屋の模様替えも提案する
4.以前からの入居者への配慮もしっかり行う

ネット回線の整備は、必須です。

まだ整備されていなければ、この機会に大家さんにお願いしましょう。

また、不特定多数の人が出入りする飲食や物販、美容系などのサービス業、つまり「来客を前提とした業態」については当初は避けましょう。

防犯面でリスクが高まりますので、仮にオートロック付きの物件であった場合には特に注意が必要です。

そして、以前からの入居者へも報告をしておくと、トラブル防止になります。

事業内容にもよりますが、SOHO利用者からの希望でよくあるのは「ポストに社名・屋号などを明記したい」という要望です。

全くの告知なしで急にポストへの会社名が表示されると、入居者によっては不安を感じ、管理会社へ問い合わせ(又はクレーム)の連絡をしてくるかもしれません。

こうしたトラブルを防ぐ為にも、必要に応じて承諾書にサインをもらえれば完璧です。

☞トラブルを避けるポイント

・入居者は来客が少ない、ネット関連のフリーランスや個人事業主に限定しましょう
・可能な範囲で、退去ごとに各部屋をSOHO用にしていき、将来的に物件全体をSOHO仕様にしましょう。
・SOHO可が定着したら、将来的に業態規制の緩和も検討しましょう。

4.ルームシェア物件として貸し出す

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ルームシェアとは、賃貸物件を夫婦や家族ではない「他人」とシェアして住むことです。

玄関やリビング、キッチン、バス・トイレなどを共同で使用します。

夫婦や家族での入居(いわゆる「2人入居」)物件や最近はやりの「シェアハウス」(部屋ではなく、「家」全体をシェアする)とは異なりますので区別してください。

「1人で住むよりも家賃を節約できる」ルームシェアは、入居者に人気です。

1人暮らし用の部屋や2人入居の部屋よりも物件数が少ないので、空室対策にもおすすめ。

「ルームシェア可」にする際には、以下の点に注意が必要です。

ルームシェアの注意点!

1.ルームシェアできる同居人の範囲を明確にきめておく
2.それぞれの入居者と個別に賃貸借契約を交わす
3.共用設備の使用方法を賃貸借契約書に明記する
4.ルームシェア解消時を想定して準備する

同居人の範囲ですが、できればカップルや会社の同僚に限定するのがよいでしょう。

入居者の友人まで対象とするのは、リスクが大きくなりますので細心の注意を払わねばなりません。

「保証人を全入居者に依頼する」といった対策をできればしておきたいところです。

そしてさらに重要なのが、ルームシェア解消を想定した準備です。

入居者それぞれと賃貸借契約を結び、保証人も個別につけてもらいます。

加えて、入居者のいずれかが退去した場合でも、家賃を支払えるような入居者に限定するとリスク対策になります。

収入証明や勤務先の確認はしっかりと行いましょう。

~私の体験談~
私がサラリーマンだった頃の話です
その物件は、東京都内の2DKのアパートでした(家賃10万円)
当初の契約では、30代の女性が1人で入居されるという条件
ところが、たまたまエアコンのトラブルで私の部下がお部屋に伺ったところ、
女性がもう1人入居していたことが判明、すぐに部下から報告を受けました
2人は会社の同僚で、家賃をシェアすることで生活費を節約していたのでした
ただ、契約違反ですので、そこは厳しくもう1人の女性には退去してもらいました
今なら、もう少し柔軟に「ルームシェア」として対処できた…と、反省しています

5.まとめ:入居率UPは工夫次第で可能です!

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今回は、入居率UPのための対策を4つ紹介しました。

どれも、私や私の仲間が実践して効果のあったものばかりです。

入居率UPの秘訣は、大家さんと一緒にそれぞれの物件にあった「工夫」をすることです。

みなさんが、管理している物件に100点満点のものは、ほとんどありません。

各物件には長所と短所があり、その短所をいかに工夫し、改善していくかが重要になってきます。

もちろん、必要な場合には大家さんに設備の追加や、お部屋の模様替えをしてもらいましょう。

大家さん側も、みなさんの仕事に取り組む姿勢をみています。

一生懸命に取り組んでいるみなさんに、きっと協力してくれるでしょう。

どうか、自信をもって「提案」してみてください。

今回の記事が、みなさんのお役に立てたらうれしいです。

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