実績のない不動産屋一人社長でも出来る物上げ3選

前回の記事では、不動産営業マンが起業前にやっておかないと後悔する3つのことを筆者の経験をもとにお話した。
今回は、不動産営業マンが起業したばかりで実績がない・少ない時にできる物上げ方法について、私の経験をもとに暴露しよう。
あなたが、某不動産フランチャイズに加盟せずに看板力(≒集客力)の無い状態なら、きっと役立つので、ぜひ一度、試してみてほしい。

物上げ方法その1・過去の顧客を定期的にフォローする

どの業界でも売上を見込める客は、既存の顧客である。
あなたが、会社を辞めて仮に◯◯不動産という無名な会社を立ち上げた時でも、あなたを信用してくれる人は、起業前にあなたが担当してきた既存の顧客である。
あなたが、お世話になった会社の顧客を自ら奪い取りに行くという行為は、道徳的に好ましくないが、顧客が「誰と取引するか?」は顧客が決めることであり、自由である。
起業したなら、真っ先に報告に行こう。

まだやってない?
今からでも遅すぎるということはない。
「お久しぶりです。お元気ですか?」と顔を見に行こう。
手紙や電話、メールでの報告よりも、きちんと自分の足で出向いて、「あなたが今後、どんなお役立ちができるのか」を明確に伝え、FacebookなどSNSをしている顧客なら必ず繋がるようにしておきたい。

ここで注意するべき点は、
独立できるほどのあなたならお分かりだと思うが、売り込んではいけない。
対面の挨拶ならではの1回きりのチャンスだと思って、顧客が解決したい問題を把握し、それを損得勘定なしで解決するお手伝いをするようにしたい。
そうすることで、人は誰しも自分が好意を抱く人なら応援してあげたいという心理があるので、いずれは、何かしらの相談を持ちかけてもらえる確率が高くなる。
そうなれば、もう完全にあなたの顧客だ。

特に「情報が商品」で、「やろうと思えば誰でも扱える」不動産業界においては、新規客よりも既存顧客にコストをかけてフォローする必要がある。
農家のように、一度や二度水やりしたくらいで成果物が手に入らないのと同じで、根気よく愛情を持って接していくようにしよう。

物上げ方法その2・登記受付帳をもとにアプローチ

不動産登記受付帳にある「処分の制限に関する登記」(任意売却)や「相続登記」(一般売却)を狙って、ダイレクトメールや訪問で物上げのアプローチを行うには、看板力よりも人間力が必要なので、起業したてでも取り組みやすい。
(不動産登記受付帳については過去記事を参照)
考えてみてほしい。
もし、あなたがラーメンを食べに行こうと思った時、どこを思い浮かべるだろうか?
あなたが食通なら別だが、一般的にはよく見かけるチェーン店ではないだろうか。

ところが、タイミングよく聞いたことはないが美味そうなラーメン店のチラシがポストに届いていたらどうだろうか?
ここでは、揚げ足を取らずに素直に答えてほしい。
たぶんあなたは、行ってみたくなるはずだ。

これは不動産を売る時も同じで、見込み客から行動する時は、日頃からよく(チラシやテレビCMなどで)目にする不動産業者やネット検索結果の上位を牛耳る大手不動産業者や一括査定サイトが候補に上がってしまうが、必要な時にタイミングよく届いた提案は受ける・受けないは別にして「検討はしてくれる」ものである。
一括査定サイトをよく研究されているミカタ社の代表取締役 荒川竜介氏の公開記事からも、売主が媒介を任せた理由としては「会社の知名度」よりも「担当者の対応や提案内容」が圧倒的な決め手となっていることが分かる。

つまり、
見込み客の頭の中で任せる不動産業者が決まっていない段階では、看板力がなくても十分に勝機があることを知っておきたい。
尚、不動産登記受付帳を使った物上げについては、私の過去記事で取り上げているのでそちらを参照してほしい。

物上げ方法その3・不動産売却一括査定サイトを使う

一括査定サイトは、信用構築や反響獲得のために売主に対して中立且つ有益なアドバイスコンテンツを組み込みながら多額の広告費を支払って、常に認知度を上げ続けている。
一括査定サイトを利用する売主は、その依頼する時点で「特定の依頼先がない」・「数社を比較検討したい」という人。
なので、たとえあなたの会社に看板力がなくても、あなたの対応力だけで十分に媒介を勝ち取ることができると言っても過言ではない。

筆者の経験からみても、拒絶・罵声のストレスから離職する可能性の高いアポインターを雇って営業電話等でアポイントを取るよりも対費用効果は優れている。
一括査定サイトは、言い換えると売却査定反響獲得のアウトソーシングである。
反響がなければ課金されない点や、冷やかし反響は除外申請して課金されないようにできるので、複数の一括査定サイトを活用してみよう。

もし、食わず嫌いしてまだ未経験なら、まずは一度試してみるべきだ。
そうすれば、無名の会社でも物元になれる可能性がぐんと高まる。

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まとめ

最後に、「実績のない不動産屋でも出来る物上げ3選」をまとめると、

1.過去の顧客を定期的にフォローする
2.不動産登記受付帳をもとに自分からアプローチする
3.一括査定サイトを使う

もし、今あなたが物上げに苦戦しているなら、これら3つのことを一度試してみてほしい。

<次回は、実績がないなら、つくればいい。ゼロから実績を作る方法について>
なぜ、競合他社からもアプローチを受けているはずの所有者さんは、ほぼ一人でやっている看板力ゼロの不動産屋に任せてくれたのか?その手法や理由についてお話しします。
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