コロナ禍によって変化する住まい探しニーズへの対応とは?(後編)

テレワークの普及によってさまざまな住まい探しニーズが今後顕在化することは「コロナ禍によって変化する住まい探しニーズへの対応とは?(前編)」でご紹介しました。

後編では、生活者の住まい方という観点からそのニーズを検証し、不動産仲介業者はそういったニーズにどのように対応すべきなのかを考えてみたいと思います。

※本記事は前後編の後編となります。

前編はこちら「コロナ禍によって変化する住まい探しニーズへの対応とは?(前編)」

1.テレワークの普及が住まい方に与える変化

テレワークの普及が住まい方に与える短期的・長期的変化

テレワークの普及は、職場との位置関係や通勤時間によって決まっていた従来の住まい探しを大きく変える可能性があるのはすでにご紹介した通りです。

今後は、都市部から1時間〜1時間半程度の郊外のベッドタウンにコワーキングスペースやサテライトオフィスが増加していくことで、生活空間が仕事もできる街に変化していくものと思われます。

通勤時間の長短とは住空間の快適性は引き換えになっているところがありましたが、テレワークの普及でどちらもあきらめることなく実現することが可能になり、生活満足度も上昇していくことでしょう。

中長期的な視点でみていくと、テレワークの普及によって地方への移住者が増加することが考えられます。

全宅連の調査「住まい方の意識トレンド調査」によれば、将来は地方に住みたいと回答した人(全体の41%が回答)に田園回帰(過疎地域において都市部から人の移住・定住の動きが活発化している現象)について聞いたところ「仕事や収入などの課題解決の施策が必要」が44.0%で最多となりました。

生活を維持していくための経済面の課題克服が最も大きな懸念となっていることがわかる結果と言えます。

テレワークの普及によって「働き先が少ない」ことや「賃金が安い」といった課題が解決することで、移住者が増加する可能性が高いと言えるでしょう。

二拠点生活(週末移住)に興味がある59.1%

平日は都市部、休日は地方で暮らすといった二拠点生活(週末移住)などの生活スタイルについても変化が現れてきそうです。

全宅連の同じ調査によれば、将来は都市部に暮らしたいと回答した人(全体の59%が回答)に「平日は都市部、週末は地方で暮らすスタイルの二地域居住(週末移住)」について聞いたところ、結果は以下のようになりました。

第1位:都市部に住み続けたい(39.9%)
第2位:興味はあるが、困難だと思う(35.2%)
第3位:可能ならやりたい(18.4%)
第4位:ぜひやりたい(5.5%)
第5位:その他(1.0%)

上記赤字部分で興味・関心があると回答した人を合算すると59.1%となりました。

ここで触れている「困難」についてはさまざまな考え方があると思いますが、テレワークの普及による柔軟な働き方によって解決できるものも含まれていると考えられます。

子育て環境の充実や趣味の追求などを目的とした移住が増加することで、あまり注目されていなかった物件への注目度が高まるといったことが増加するかもしれません。

2.コロナ禍によるニーズの変化に不動産業者はどのように対応すべきか

アフターコロナの世界における不動産仲介業と生活者のコミュニケーションとは?

ここまでは、生活者の住まい方と住宅という観点で、そのニーズの変化を追ってきましたが、ここからはウィズコロナ・アフターコロナにおける生活者とのコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

コロナ禍によって生活者のライフスタイルは一変しており、人々のコミュニケーションは大きな変化を余儀なくされているのは、皆さまご自身の生活においても体感しているところでしょう。

調査会社の(株)クロス・マーケティングが行った「第3回新型コロナウイルス生活影響度調査」によると、オンライン化に期待したい非対面型サービスとして「公的機関の電子申請・手続き(確定申告、住民票入手など)」、「選挙のオンライン投票」、「キャッシュレス決済(現金以外の支払い)」がいずれも過半数で上位を占める結果となりました。

政府の旗振りによってこれまでも導入が推奨されていた各種施策ですが、今後は新型コロナウイルスと共存し、感染拡大防止を意識しながら生活をしていく中で、これまで対面で行われていたサービスの非対面化(オンライン化)が進むことは必至と言えるでしょう。

不動産業界においても、オンラインでの非対面接客やVR内見、電子契約などのweb化は進んできており、各種スタートアップ企業(不動産テック)が新しいサービスを展開していることはご承知のことと思います。

先行きが見通しづらい不透明な情勢ではありますが、そんな時こそ「変革の好機」ととらえ、生活者のニーズに沿った思い切った施策を先んじて打つことが必要ではないでしょうか。

過去の常識が通用しないような時だからこそ、ピンチをチャンスに変えていくような発想の転換が求められているのかもしれません。

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