不動産仲介会社が最低限知っておきたい電子契約のイロハ

電子契約を導入しようとする不動産会社は多くなってくると思います。
電子契約サービスをおこなうサイトも増え、不動産会社の多くが加盟する「アットホーム」でも電子契約サービスをおこなうようになりました。
電子契約についてはネット上にも多くの情報があり、システムについてのイメージはなんとなく把握できます。
しかしIT技術は常に進歩しており、新しいサービスが今後も生まれてくる可能性も高いでしょう。

ここでは電子契約サービスを選択するさいに、最低限知っておきたい電子契約の基礎知識についてお伝えします。

【E-BOOK】不動産業界における電子契約解説書

迫る!デジタル改革関連法案施行。

  • 何から始めればいいのか?
  • 導入したら何が起こるの?
  • どうやって社内で運用すれば良いのか?
  • それで儲かるの?

イタンジ株式会社が紐解きます。

電子契約とはそもそもなに?

電子契約が不動産業界でも実用化されるようになり、社会活動のほとんどがデジタル技術による基盤の上で成立するようになります。
電子契約は「電子署名」の法的な有効性と、信頼性を保つ運用システムの構築が前提でした。
2001年4月1日「電子署名及び認証業務に関する法律」が施行されたことにより、電子商取引をはじめとしたネットワーク活用による社会経済活動が可能となったのです。

契約とは『契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する』と民法は規定しています。
なおかつ『契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない』とされており、契約書の必要は本来ありません。
しかし契約内容や履行に関しトラブルが発生し、裁判での争いとなった場合に「契約書」のような証拠になるものがなければ、言った、言わない、の水掛け論になってしまいます。
そのため契約内容を書面にして契約当事者本人が、合意した事実を証明するため記名・押印をしています。

また不動産取引に係る契約は書面にすることが、宅地建物取引業法で定められています。
電子契約は紙ではないため記名・押印ができません。
そこで契約内容を明記した電磁記録に、次の2つの要件に該当する情報を記録したものを電子署名と言います。

1. 当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること
2. 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること

この法律により書面に記名押印をしたものではない電子データであっても、契約の法律的な有効性が認められ、争いがあった場合の証拠能力を与えることが可能になりました。
この法律的根拠が第3条『電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定する。』の規定です。

引用:e-GOV「電子署名及び認証業務に関する法律」

電子契約の肝は電子署名

電子契約は「電子署名」の法律的な有効性と、具備すべき要件が明確に規定されたことにより、行政上の電子申請を可能にしました。
行政手続きに欠かせない「印鑑」が「電子署名」に代わるわけですが、本人確認が必須とされる各種申請にあって電子署名を施した者が、本人であることの証明は非常に厳格におこなわなければなりません。

そのためには施された電子署名が、本人の意思に基づき本人が措置したことを第三者機関が証明する仕組みを作りました。
それが「認証業務」と言われるもので、令和2年10月現在下記の業務と業者が存在します。

認定認証業務 業務を行う事業者
株式会社日本電子公証機構認証サービスiPROVE 株式会社日本電子公証機構
セコムパスポート for G-ID セコムトラストシステムズ株式会社
TOiNX電子入札対応認証サービス 東北インフォメーション・システムズ株式会社
TDB電子認証サービスTypeA 株式会社帝国データバンク
e-Probatio PS2サービス 株式会社エヌ・ティ・ティネオメイト
DIACERTサービス 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
AOSignサービスG2 日本電子認証株式会社
DIACERT-PLUSサービス 三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社
e-Probatio PSAサービス 株式会社エヌ・ティ・ティネオメイト

出典:総務省「電子署名及び認証業務に関する法律に基づく認定認証業務一覧」

上記は「認定認証局」と定義される事業者ですが、電子契約の実用化においては「信頼されたルート認証局」も重要な役割を担います。
「信頼されたルート認証局」とは『OSやWebブラウザーベンダーが示す基準を満たした認証局』と定義されており、世界には認証局がたくさんあり常に増加しています。
多くの電子契約サービスがルート証明書を利用した電子署名方式になっています。
実用化された電子契約サービスは「認定認証局」ほどの本人確認に関する厳密性はありませんが、民間取引における電子署名の信頼性が担保できるとみなされています。

電子契約のサービス

電子署名には2種類の方式があります。

1. 当事者署名型
2. 事業者署名型(立会人型)

前述した「認定認証局」などが電子証明書を発行する方式が「当事者署名型」になります。
当事者署名型は住民登録や運転免許などとの紐づけにより、厳格な本人確認をおこなうので「なりすまし」が非常にむずかしい方式です。
そのため費用や更新手続きなどが必要であり、一般個人にとってはハードルの高いものと言えます。
身近なものでは「e-TAX」の電子証明書が該当します。

最近の例では「マイナンバーカード」の発行を、自治体で手続きする電子証明書も「当事者署名型」ですが、これは無料になっています。
電子契約サービスをおこなうベンダーの登場により、簡単に電子契約が可能になったのが「信頼されたルート認証局」によるルート証明書の活用です。
ルート認証局としてはAdobeなどのよく知られたPDFの証明書が使われています。

電子署名の方式は、当事者署名型と事業者署名型の両方に対応するベンダーと、事業者署名型に限定するベンダーが存在します。
電子契約を先行させている不動産会社では、事業者署名型の方式が簡単であり次のベンダーの利用が多いようです。

不動産会社には事業のジャンルや顧客の特性など、もっとも望ましい電子契約の形態があります。
それぞれの特徴を把握したうえで、電子契約サービスベンダーの選択をすることが大切です。

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まとめ

不動産の電子契約サービスはクラウド型の「事業者署名型」を利用するケースが多くなると考えられます。
認証手続きは簡単ですしインターフェースもわかりやすく、初めての電子契約であってもあまり戸惑うことなく進められそうです。

一方、不動産契約では「なりすまし」により大きな詐欺被害にあうこともあり、本人確認の厳格な「当事者署名型」が望ましいケースもあります。
また訴訟などにそなえ、契約ファイルの証拠能力を最大限にしたいと希望するケースもあるかも知れません。
電子契約サービスはベンダーにより特徴があります。よく理解したうえでサービスの選択をおこなうのが重要です。

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