分譲マンション専門「大京」の誕生

『ライオンズマンション』この誰もが名前を知るマンションブランド。

2018年10月26日、オリックスは連結子会社としていた大京の株式を、TOBにより取得し完全子会社とすることを発表しました。

今後のライオンズマンションのブランドは? 大京はどのような道をこれから歩むのかまったく予想がつきません。しかし60年間にわたる、大京が残した分譲マンション事業の足跡には貴重なものがあります。
ここでは、今後の大京の姿を想像しながら、60年前の生い立ちに触れてみます。

大京商事から大京観光へ

創業者横山修二は昭和24年12月、4年間のシベリア抑留生活ののち帰国します。終戦時は北朝鮮の咸興にて帰還船の配船を待っていたところ、ソ連軍の進駐に遭いウラジオストックの北、ウスリースクに送られたのでした。

帰国したのが24歳のとき、10年後に個人事業で「大京商事」を設立します。独立にあたっては、当時勤務していた会社の部下を引き連れての独立を認められたそうで、 “人の縁” に恵まれていたと考えられます。

大京商事は1960年(昭和35年)株式会社大京商事と法人化し、昭和40年までは別荘地の販売に力をいれていました。また昭和39年には別に大京観光株式会社を設立しています。

大京商事は昭和43年に大京観光に統合されるのですが、この間に大きな社内改革をおこなっているのです。

それは “歩合給の廃止” でした。

このときの考え方を「横山修二 講話 当社の辿った経営戦略と今後の課題と対応」のなかで次のように語っています。

“なぜ歩合給がいけないか。歩合給で社員を雇用するということは、社員の立場に立って考える時、自分だけ高収入であればよいのですね。そこで消費者や会社の信用の問題は顧みられなくなります。それでは実質的に愛社心のある誠実な社員の育成はできないと考えたのです。”
引用:日本不動産野球連盟「戦争体験と大京草創期を知る貴重な資料 「横山修二 講話」(全住協機関誌より)」

当時の大京観光には錚々たる人物が、幹部社員として活躍していました。

・ダイア建設創業者
・ 明和地所創業者
・日神不動産創業者
・プレサンスコーポレーション創業者
・日本エスリード創業者
・アーバンコーポレイション創業者
・日本綜合地所創業者
・ランド創業者

これらの人材が昭和49年ころのオイルショックによる不景気で、行き詰まりかけていた大京観光を救ったのですが、その陰には歩合給廃止による社員育成方針があったのかもしれません。

分譲マンション事業の開始

日本初の民間分譲マンション(四谷コーポラス)が建ってから12年後、1968年(昭和43年)ライオンズマンションの第1号である「ライオンズマンション赤坂」を発売します。

翌年には大京管理株式会社(現 大京アステージ)を設立し、マンション管理部門の確立も目差すようになります。

1973年の「分譲マンション事業主別供給ランキング」というデータがあります。

分譲マンション,大京出典:不動産経済研究所「全国マンション市場40年史」

ランキング20位までを表示していますが、大京の姿はまだ見えません。
出典元には2012年のランキングもあり、2012年においても20位に入っているのは、三井不動産と三菱地所の2社のみであり、大京は6位にくいこみます。

第1号から1千棟突破までは15年かかります。さらに2千棟突破までは4年間で達成。3千棟達成はその3年後と、ペースは早まり1994年(平成6年)に4千棟を達成しました。

その間平成2年には大京初のタワーマンション「ライオンズステーションタワー東札幌」を発売し、1998年(平成10年)には、日本一の高さとなる「エルザタワー55」が完成するのです。

そのごもタワーマンションや総戸数800戸を超える大規模プロジェクトとつづき、2018年度末現在、大京が供給した戸数は378,019戸(穴吹工務店分を除く)に達し、現在のマンションストック総数650万戸の5.8%にもおよびます。

分譲マンション,大京

引用:国土交通省「分譲マンションストック戸数」

今後の大京

平成12年より全戸「住宅性能評価書」つきとし、「ザ・ライオンズたまプラーザ美しが丘」では、200年住宅を謳う国土交通省の「超長期住宅先導的モデル事業」にも採択されるなど、業界のリーディングカンパニーとして躍進をつづけてきました。

しかし現在大京は、年間建設戸数が住友不動産や野村不動産などの後塵を拝す位置にいます。

2005年にオリックス傘下に入り、「量から質へ」と方針が変化している傾向と捉えることもできますが、2019年に至りオリックスは大京の全株式を取得しました。その狙いはなんなのでしょう?

穴吹工務店の買収により、大京アステージは管理戸数最大となったのです。ストックビジネスとマンション再生・再開発事業の可能性は膨大であり、大京の第二のステージがオリックスによって幕を開けるのかもしれません。

参考サイト

日本不動産野球連盟「戦争体験と大京草創期を知る貴重な資料 「横山修二 講話」(全住協機関誌より)」
第三企画株式会社「大京が40年の社史を編纂 全6000棟を網羅」
大京「歩み/歴史」
国土交通省「マンションに関する統計・データ等」

不動産の歴史まとめページ

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