アットホームの設立が不動産流通を変えた

不動産仲介業を営む宅建業者が加盟している、不動産情報流通ネットワーク「アットホーム」は、1967年(昭和42年)「ヨコハマ物件配布センター」として創業します。

2020年3月1日現在、全国57,415店が登録し、レインズの会員数135,948業者(平成30年度末)と比較し、民間ネットワークとしてはそん色のない加盟率となっています。

レインズは現在、不動産仲介業者にとっては必要不可欠なツールとなっていますが、20年前インターネットによる「IP型」が導入されるまでは、物件情報収集はアットホームのファクトシートによることがほとんどでした。

アットホームが設立された背景と、レインズの充実した現在の姿が生まれる背景について、昭和27年にまで遡ってみたいと思います。

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アットホームが設立されるまでの不動産業界

最初にアットホームとレインズそして不動産法制との関わりを整理した年表を掲載します。

アットホーム,不動産流通
出典:アットホーム株式会社「アットホームの歩み」

アットホーム株式会社「沿革」

REINS TOWER「公益財団法人 東日本不動産流通機構 沿革」

1952年(昭和27年)宅地建物取引業法が制定され不動産業者は、都道府県に登録することが定められました。しかし無登録で不動産業を営むものも多く、トラブルの多発は不動産業者の規制を厳しくする必要に迫られていました。

宅建業法制定の5年後に「取引主任制度」と「営業保証金制度」がはじまりますが、無登録業者を防止するには、昭和39年の宅建業法改正による「免許制」が必要になったことは容易に想像できることです。

昭和39年改正では以下のような主な改正点がありました。

1. 目的に「宅地及び建物の取引の公正を確保する」の追加
2. 宅地の定義を拡大し、建物の敷地に限らず「用途地域内の土地」とする
3. 都道府県知事登録制を廃止し、建設大臣免許と都道府県知事免許とする
4. 取引主任者不在など免許拒否基準を明確化
5. 取引員試験を取引主任者試験に改め、受験資格を設けた

この改正により「取引主任者」の専任が必要とされ、業者としての免許要件も明確になったことから、「不正な取引」をおこなう、もぐり業者を排除できるしくみができたといえるでしょう。

ファクトシートが果たしたもうひとつの役割

ファクトシートは売買や賃貸の不動産情報を一枚の紙に表示したものです。
物件種別や地域ごとに分類でき、不動産業者間の情報伝達ツールとして利用されています。

ファクトシートの配布先は免許を受けた不動産業者になるので、無免許業者が手に入れることはできません。

アットホームがファクトシート事業をはじめた昭和42年は、まだコピー機による複写ができなかった時代です。ファクトシートを無免許業者が手に入れることは困難だったろうと想像できます。

不動産業者に物件の媒介を依頼する顧客は、簡単に業者の免許を確認できないのは現代でも同じです。このころはさらにむずかしいことだったでしょう。

不動産業者の免許を証明することのできるもの、それが「ファクトシート」だったといえるのではないかと考えられます。

昭和30年代末期から昭和40年代初期のころです、身近にこの時代を知る先輩諸氏は数少なく、確認のしようがありませんが、ファクトシートには、このような大切な役割があったのではないでしょうか。

昭和45年には約5万7千の宅建業者は、バブル経済のころには約13万と倍以上になっています。

起業しやすい宅建業ですが免許制度が定着し、かつては「千三つ屋」と呼ばれた時代が、遠い昔と感じるようになったといえるのではないしょうか。

ついでですが、首都圏ではファクトシートを「マイソク」と呼ぶこともあります。

アットホームの設立から2年後、昭和44年に「毎日速報センター」が個人事業でスタートします。アットホームと同じようなファクトシートを作成し宅建業者に配布していました。

4年後に「株式会社毎日速報センター」と法人化し、平成3年にはアットホームと業務提携し、平成6年に株式会社マイソクと社名変更しています。古くからマイソクのサービスを利用している業者は、そのため「マイソク」が正式用語なのでしょう。

レインズ設立の背景

1980年(昭和55年)不動産流通近代化センター(現 不動産流通推進センター)が設立されます。

その半年前には宅建業法改正により、昭和56年から媒介契約の明文化が施行され、専任媒介契約が制度化されることになりました。

媒介業務が公正におこなわれるための制度設計が必要となり、不動産流通の推進・活性化を目的とした事業をおこなう組織として設立され、宅建業法が定める「指定流通機構」の設立や宅建業従事者の人材育成事業などをおこなうようになります。

専任媒介契約は依頼者がひとつの媒介業者とのみ契約締結をおこなうため、他業者に対して物件媒介の優先権が生じます。そのため専任媒介された物件であることを、第三者が証明するしくみが必要となったのです。

専任媒介物件と媒介業者を「指定流通機構」に登録することにより、他の業者は物件情報と優先権をもつ媒介業者の存在を「指定流通機構」を通じて知ることができます。

専任媒介契約の制度化に「指定流通機構」は欠かせないしくみだったわけです。

昭和60年4月から昭和61年3月までの期間で、不動産流通標準情報システム(REINS)の設計開発をおこない、東京都宅地建物取引業協会が「東京レインズ」の運用を開始します。そのご「霞ヶ関レインズ」や「全日関東レインズ」などが設立されます。

平成2年には全国に37の「指定流通機構」が設立され、東日本の12機構から不動産流通近代化センターが運営委託を受け「東日本レインズ」となります。

レインズの役割は主に専任媒介物件の登録であり、現在おこなわれているような物件情報検索は、IP型が導入されてからのことです。

それまでは「アットホーム」のファクトシートによる物件探しが、媒介業者の日常風景だったのです。

レインズは平成21年に至り、全国4機構(東日本・中部・近畿・西日本)の物件情報を集約したデータベースの運用が可能となり、より便利なツールになっています。

参考サイト

アットホーム株式会社
Retio「平成 30 年度末 宅建業者と宅地建物取引士の統計について」
公益財団法人不動産流通推進センター「指定流通機構の活用状況について(平成30年度分)」
REINS TOWER「公益財団法人 東日本不動産流通機構 沿革」
株式会社マイソク「会社案内」
栃木県庁「宅地建物取引業法の概要」
国土交通省「宅建業法第8次改正 昭和55年5月21日公布」

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