不動産管理会社で働くために必要な資格を5つ紹介

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不動産管理をおこなう会社で働くにあたって、保有していると待遇面で有利になり、実際の仕事においても役立つ資格にはどのようなものがあるでしょう。

資格には国家資格・公的資格・民間資格の3種類ありますが、注目されるのはやはり国家資格です。

ここでは不動産業に関係する国家資格と公的資格について解説します。

不動産管理会社で働くために必要な資格を5つ紹介

  1. 宅地建物取引士
  2. 賃貸不動産経営管理士
  3. 管理業務主任者
  4. マンション管理士
  5. 不動産コンサルタント

宅地建物取引士

不動産業で必要とされる代表的な資格が宅地建物取引士です。

制度が生まれて60年以上経過し、取引士証の交付を受けている人は50万人を超えています。

試験の合格率は17%(令和元年度)と、比較的むずかしい国家資格です。

不動産業のうち不動産の売買・交換や賃貸について、取引の代理や媒介業務をおこなう「宅地建物取引業」に必須の資格であり、事務所や店舗あたりの従事者5人に1名が有資格者でなければなりません。

また事務所や店舗には必ず1名の専任取引士が必要になっています。

宅地建物取引士として仕事をするには、都道府県で登録を受けなければならず次のいずれかの要件が必要です。

・宅地建物取引業の実務経験2年以上
・登録実務講習の修了
・国や自治体または公的な法人において、宅地建物の取得や処分に関わる仕事を2年以上

登録の有効期間は5年であり、5年ごとに更新講習が義務づけられています。

不動産を公正にかつ安全に取引されるように関わる、宅地建物取引士の責任はたいへん大きいものです。

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士とは「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が定める、業務管理者の要件とされる資格です。2020年現在は公的資格ですが、2021年以降国家資格に変更されるといわれています。

不動産賃貸業を営む不動産所有者などからの依頼により、賃貸物件の管理業務をおこなう場合、事務所などに必ず設置することが義務づけられる「業務管理者」として必要な資格です。

不動産賃貸に関わる建物管理はもちろんですが、賃借人と締結する賃貸借契約をはじめとした入居・契約や退去に関する事務、賃料の収受など不動産オーナーの財産保全などにも関わる責任の重い仕事を担います。

毎年1回おこなわれる試験は、上記の「宅地建物取引士」とほぼ同様の出題範囲であり、宅建取引士とのダブル受験や2年間にまたがる連続受験が、合格できる秘訣ともいえるでしょう。

不動産仲介業において宅建取引士の人材不足がいわれていますが、賃貸管理業においても義務化される「業務管理者」設置により、賃貸不動産経営管理士の求人が増加することも考えられます。2021年以降、注目される資格といえるでしょう。

管理業務主任者

管理業務主任者とは「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」にもとづく国家資格です。

マンション管理をおこなうマンション管理会社に必須の資格で、管理会社の事務所ごとに設置しなければならない有資格者です。

管理の委託を受ける管理組合数30組合に一人の割合で在籍しなければなりません。

管理業務主任者がおこなうことと義務づけられている業務は次のとおりです。

・マンションの管理に関する委託契約において、依頼者に交付する「重要事項説明書」の記名押印
・上記の依頼者へおこなう重要事項の説明
・管理委託契約書の記名押印
・委託者へおこなう管理業務報告

令和元年度の合格率は23.2%と比較的難易度は高くない試験です。

試験に合格し「管理業務主任者」として仕事をする場合は、国土交通大臣の登録が必要です。

登録には2年間の実務経験が必要ですが、登録実務講習を受講後の修了試験に合格すると登録が可能になります。

登録の有効期間は5年間で所定の講習を受けると更新が可能です。

初期の登録や更新のたびに、資格の証明として管理業務主任者証が交付されるのは、他の資格と同様です。

マンション管理士

マンション管理士はマンション管理組合に対する、コンサルティング業務をおこなうことができる「名称独占資格」です。

「管理業務主任者」と同様、マンション管理に関わる業務の資格ですが、より専門性のある “ひとつ上の資格” といっていいでしょう。

管理業務主任者はマンション管理会社に在籍しますが、マンション管理士は管理会社から独立した存在で、マンション管理組合に対して建物保全や、マンション管理運営に関するアドバイスをおこなうのが仕事です。

したがって管理会社で勤務するにあたって必要な資格ではありませんが、顧客となる管理組合に対しては、より深い知識のある “相談相手” として頼れる存在であり、管理会社で勤務する場合でも重宝される資格といえます。

独立してマンション管理士としての仕事をする場合は、試験合格後に国土交通大臣が指定する登録機関(公益財団法人マンション管理センター)に申請し、登録を受けなければなりません。

試験は合格率8.2%(令和元年度)と難易度が高く、管理業務主任者を取得したのちにマンション管理士の受験をするケースが多いといわれています。

不動産コンサルタント

「不動産コンサルタント」と一般に呼ばれますが、公的資格としてあるのは「不動産コンサルティング技能試験・登録制度」による試験に合格し、登録要件となっている資格登録後5年経過により「不動産コンサルティングマスター」として認定されます。

受験資格は次の3つの資格のいずれかを保有していることが必要です。

1. 宅地建物取引士
2. 不動産鑑定士
3. 一級建築士

それぞれの資格登録後5年を経過し実務経験も5年を経過している場合は、試験に合格すると不動産コンサルティングマスターとして登録することが可能です。

上記の登録後の実務経験が5年未満の場合は、登録が5年経過するまでできませんが、試験合格の効力には期限があります。その期限内に登録できない場合は、試験合格者名簿への登載継続申請が必要となります。

また試験合格後一定期間後に登録する場合は、所定の「演習問題」に合格しなければなりません。

「不動産コンサルティング技能試験・登録制度」は、公益財団法人不動産流通推進センターが国土交通大臣の登録を受けておこなっている事業です。

不動産コンサルティングマスターの仕事

一般の方が不動産を購入するときや売却する場合、相談をするのは宅地建物取引業の免許を受けた宅建業者になります。

一方、住宅を建てようとする場合には、ハウスメーカーに相談する、あるいは建築士事務所に相談するなどが考えられます。

住宅の場合には購入するか建築するかの二者択一を、自分自身でしなければなりません。

どちらが良いのかを客観的にアドバイスしてくれそうな専門家は、宅建業者にも建築士事務所にも実はいません。

宅建業者は売買が仕事であり、建築士事務所は建築が仕事です。

自分の仕事にならないことを勧めることはあり得ません。

どちらにも偏らずに、より客観的な意見にもとづいてアドバイスするのが「不動産コンサルティングマスター」なのです。

不動産関係の企業で働くに必要な資格というよりは、より上のキャリアアップを目差すための資格といえるでしょう。

また経験を活かした起業・独立という方向性も考えられる資格です。

まとめ

5つの資格のうち国家資格は「宅地建物取引士」と「管理業務主任者」そして「マンション管理士」です。

「賃貸不動産経営管理士」は公的資格ですが、国家資格に変更されることになっています。5つ目の「不動産コンサルティングマスター」は公的資格です。

国家資格はさらに3つの分類があり次のように区分します。

・業務独占資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士(予定)
・必置資格:宅地建物取引士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士(予定)
・名称独占資格:マンション管理士

業務独占資格とは資格を有している人だけができる業務の資格をいい、必置資格は事業をおこなうさいに有資格者がいなければ業務ができない資格をいいます。

名称独占資格とは特定の肩書を名乗ることのできる資格であり、業務そのものは資格のない人でもできます。

資格にはこのような違いがあることを認識しておきましょう。

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