不動産会社の数は全国何社?11年連続増加の最新データと開業前の注意点【2025年版】

不動産会社の数は全国何社?11年連続増加の最新データと開業前の注意点【2025年版】
  • 不動産会社って年間どれくらい開業しているの?
  • 不動産会社は全国にどれくらいあるの?」
  • 他業界(コンビニ・歯医者・美容院)と比べてどれくらいの数?

本記事では、国土交通省が公表する最新データをもとに、全国の不動産会社の数・推移・他業界との比較・開業のリアル をまとめて解説します。

これから不動産業界への参入を考えている方は、業界の全体像を把握する参考資料としてご活用ください。

【結論】不動産会社は全国13万2,291社|11年連続で増加中

国土交通省が公表した 令和6年度 宅地建物取引業法の施行状況調査結果 によると、2025年3月末時点の宅地建物取引業者数は 13万2,291業者 で、前年度比 +1.3%増 となりました。

指標数値
宅建業者総数(2025年3月末)132,291業者
前年度比+1.3%
増加年数11年連続
大臣免許3,158業者(+3.6%)
知事免許129,133業者(+1.3%)

過去20年の推移:「右肩下がり→11年連続増加」の大転換

1999年〜2025年(26年間)
全国の宅建業者数の推移
1999年(ピーク) 139,288社
2008年頃(リーマンショック) 約133,000社
2013年(底) 122,127社
2019年度末 123,782社
2024年3月末 130,583社
2025年3月末(最新) 132,291社
📉 衰退期
1999〜2013年
リーマン等で減少
📈 回復期
2014年〜
11年連続で増加中
2013年の底から現在までの増加
+10,164社(+8.3%)
出典:国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」

不動産業者数は、平成11年(1999年)の 139,288社 をピークに、リーマンショック(2008年)以降は大きく減少しました。

平成25年(2013年)には 12万2,127社 まで落ち込みましたが、その後は一転して11年連続の増加 となり、2023年度末(令和5年度末)には17年ぶりに13万業者台を回復しています。

年度宅建業者数
平成11年(1999年)ピーク139,288社
平成25年(2013年)底122,127社
令和元年(2019年度末)123,782社
令和5年度末(2024年3月末)130,583社
令和6年度末(2025年3月末)132,291社

開業のしやすさと事業モデルの変化(ポータル掲載・ワンオペ開業・フルコミッション活用など)が、近年の増加トレンドを支えています。

他業界との店舗数比較:不動産会社はコンビニの2.3倍

不動産会社の数がいかに多いかを、身近な業界と比較してみましょう。

業種別 全国店舗・事業所数の比較
不動産会社はコンビニの約2.3倍、歯医者の約2倍
🏪 コンビニエンスストア 56,505店
🦷 歯科医院 約67,000軒
🏢 不動産会社(宅建業者) 132,291社
💇 美容院 約254,422店
0 10万店 20万店 25万店
不動産会社の密度
コンビニの
約 2.3倍
歯科医院の
約 2倍
出典:国交省/厚労省/日本フランチャイズチェーン協会(各最新統計)

コンビニ < 歯医者 ≪ 不動産会社 ≪ 美容院

「歯医者はコンビニより多い」という話をよく耳にしますが、不動産会社は歯医者のさらに約2倍 存在しています。コンビニと比較すれば 2.3倍以上

つまり、街を歩いていて「あれもこれも不動産会社だな」と感じる肌感覚は、統計的にも裏付けられている事実ということになります。

※参考:コンビニは日本フランチャイズチェーン協会「コンビニエンスストア統計調査月報」、歯科医院は厚生労働省「医療施設調査」、美容院は厚生労働省「衛生行政報告例」より。

【不動産業界】新規開業の裏で「毎年5,000社近くが廃業」している現実

業者数が11年連続で増加しているのは事実ですが、単純に新規参入が多いだけではありません

内訳を見ると、毎年膨大な数の事業者が市場から退出しています。

2023年度(令和5年度)の動き

指標件数
新規免許(開業)6,716件
更新免許26,058件
廃業処理3,928件
期限切れ失効1,130件
退出合計約5,058件

つまり、年間約6,700社が新規開業する陰で、約5,000社以上が廃業・失効している 計算になります。

差し引きの純増は +1,600社程度。新規開業者の大多数が数年以内に淘汰されている のが実態です。

一般企業の生存率データも参考に

中小企業白書によると、起業後の生存率は以下のように言われています。

起業後生存率
1年後約73%
5年後約42%
10年後約26%

不動産会社も例外ではありません。10年後にはおよそ4社に1社しか残っていない という前提で、開業準備・資金計画を組み立てる必要があります。

なぜ不動産業界はこれほど開業が多いのか?

他業界と比較して、不動産業界に新規参入が集中する理由は主に以下の4点です。

理由①:「儲かりそう」というイメージが強い

仲介手数料は物件価格の3%(+6万円)と高額で、1件の成約で数十万〜数百万円の売上が立つ可能性があります。

この 「1件あたりの利益の大きさ」 が参入者を引き寄せています。

理由②:宅建免許の取得ハードルが比較的低い

国家資格としては 宅地建物取引士(宅建士) を事務所に1名配置すればよく、代表者自身が宅建免許を取得していれば業務開始が可能です。医師免許や弁護士資格のような長期の専門教育は不要です。

理由③:開業資金が他業種より抑えられる

保証協会加入を活用すれば、開業資金は400万〜700万円程度 で収まります。

飲食業(1,000万〜1,500万円)や小売業と比較すると 約1/2〜1/3の初期投資 で済むため、独立のハードルが低いとされています。

理由④:在庫を持たなくてよい

仲介業は物件を仕入れる必要がなく、在庫リスク・倉庫コストがゼロ です。

売買仲介であれば、基本的に「紹介して契約をまとめる」業務であり、キャッシュフロー管理が比較的シンプルです。

不動産会社の開業を成功させる3つの注意点

新規開業が多い一方で、年間5,000社が廃業している厳しい現実があります。

これから開業を目指す方は、最低限以下の3点を押さえておきましょう。

注意点①:最悪シナリオで資金計画を立てる

不動産業は契約から入金まで 1〜3ヶ月のタイムラグ があります。案件獲得から売上発生までは 3〜6ヶ月 を要することも珍しくありません。

  • 開業資金とは別に、最低6ヶ月〜1年分の運転資金 を確保する
  • 月間固定費(家賃・人件費・広告費等)の12ヶ月分が目安

注意点②:「会社の看板」の威力を過小評価しない

前職でトップ営業マンだった人ほど、独立後に 「会社のブランド力」が持っていた集客力を過信するリスクあります。

地域での認知度・実績・提携ローン・調査ノウハウなど、勤務時代には意識しなかった無形資産を失うことを前提に、ゼロから信頼を築く覚悟が必要です。

注意点③:集客ルートを複線化する

独立直後は以下のような複数の集客導線を準備しましょう。

  • 自社サイト + SEO対策
  • ポータルサイト掲載(SUUMO・アットホーム等)
  • 既存顧客からの紹介・口コミ
  • SNS運用(Instagram・YouTube等)
  • 地域密着の広告(チラシ・ポスティング)

前職時代の紹介案件だけに依存した開業は、2年目以降に 案件が一巡した途端に資金ショートする 典型的な失敗パターンです。

まとめ

改めて、本記事のポイントを整理します。

  • 不動産会社は全国 13万2,291社(2025年3月末、11年連続増加)
  • コンビニの 2.3倍、歯医者の 約2倍 という圧倒的な業者数
  • 毎年約6,700社が新規開業する一方で、約5,000社が廃業・失効
  • 開業のハードルが低い反面、競争は熾烈で淘汰も激しい
  • 成功のためには 資金計画・ブランド力の再評価・集客複線化 が必須

不動産業界は「開業しやすい」業界である一方、「生き残る」のが難しい 業界でもあります。業界全体の数字を冷静に受け止めた上で、勝算のある事業計画を練り上げてから独立することをおすすめします。

あわせて読みたい

あなたへのおすすめ