梶本さん、今、地域密着型の売買仲介会社を作るならどんな組織にしますか?|不動産仲介営業お悩み相談室

不動産業界でご活躍のあなた、こんにちは。
株式会社レコの梶本幸治です。
今回は「梶本さん、今、地域密着型の売買仲介会社を作るならどんな組織にしますか?」というお悩みを取り上げます。
地域密着の不動産会社といっても規模の大小やエリアの特性など様々ですから、どのような不動産会社様にも通じるような「考え方」をお伝えしようと思います。
今、私が地域密着型の売買仲介会社を作るなら、営業担当者よりも営業事務担当者の人数を増やします。
ひと昔、ふた昔前の不動産業界で営業事務担当者といえば、正社員ではなくアルバイトやパートの方も多く、スキルに関しても不動産実務に精通している必要はなく、事務処理能力の高さ、具体的にはパソコンが上手に使える方が重宝されていました。
しかし、私がここで申し上げている営業事務担当者とは、もっと営業寄りのイメージでマーケティング部門のサポート役といった立ち位置を考えています。
今の不動産売買仲介業においてはお客様と直接応対する営業担当者も当然重要ですが、バックヤードでのお仕事がより重要度を増しています。
では、具体的に重要度が増している「バックヤードのお仕事」を少し見てまいりましょう。
- 不動産一括査定サイト反響全てに対する査定書の作成と送付。
- 不動産所有者向けダイレクトメールの宛名書き、書類封入。
- 顧客自動追客システムの管理・運用。
- 既存の売り顧客に対する売却相談会の案内や、各種お手紙送付。
- 不動産価格査定書作成と製本(一括査定反響なら反響後二日以内に査定書送付)。
- ポスティングパートの管理と配布用広告手配、輪転機による印刷。
- ポータルサイトへの物件記載とコメント欄への「文字数制限最大」のコメント掲載(AI使用)。
- (2026年10月まで)法務局での登記受付帳取得とDMの作成、発送。
これらはほんの一例ですが、ひと昔、ふた昔前の不動産業界では営業担当者の仕事であった「査定書の作成と送付」も営業事務担当者が行う会社が増えています。
勿論、査定金額は営業担当者がチェックしますが、作成と送付は事務担当者にお願いする方が業務全体のバランスも良いと考えます。
我々不動産業では長らく、営業事務担当よりも営業担当を重視する傾向にございました。
これは、お客様と1対1になる営業現場を重視するあまり、マーケティングを軽視するという不動産業界の悪弊と呼べるかもしれません。
不動産会社の社長さんや店長さんの中には「ホームページは事務員さんが適当にやっています。私はネットの事はわからないから」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、今の時代に「ネットの事はわからない」では、集客もままならないでしょう。
従ってこれからの不動産業界にあっては、お客様と1対1になる営業現場だけでなく、マーケティング部門のサポート役といった立ち位置で営業事務担当者を強化させることをお勧めします。
人数の割合も【営業担当者2名に対し、営業事務担当者3名】体制程度がベターだと考えています。
このように申し上げると、「営業担当者2名に対し、営業事務担当者3名だって⁉事務なんて非生産部門だから、そんなに雇ったら倒産してしまうよ」とのお声が聞こえてきそうですが、単なる事務担当ではなく、営業事務担当の増員をお勧めしているのです。
そして、営業事務は非生産部門ではありません。
我々、不動産業界というのは不思議なもので、表に立つ営業だけを「生産部門」と呼びたがり、営業事務など所詮は裏方で、お金を生まない部門だと本気で思っている節がある。
しかし、地域密着型の売買仲介会社における営業事務担当者は、マーケティングの企画立案から実施に至るまでを担当する集客の柱だとお考え下さい。
私が今、地域密着型の売買仲介会社を作るなら【営業担当者2名に対し、営業事務担当者3名】の体制で、お客様と1対1になる営業現場だけでなく、マーケティング部門も重視した不動産会社にしたいと考えます。
不動産業は「営業力の産業」から「マーケティング運営力の産業」へ変わろうとしているのかも知れません。
これから先の地域密着型の売買仲介会社に必要なのは、お客さまの前で威勢よく喋る営業力だけではなく、地味で泥臭く、誰にも褒められぬようなバックヤード業務を粘り強く回し続ける力が重要になりそうです。
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株式会社レコ
不動産業専門コンサルタント
梶本幸治
本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。
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