反響内見率100%にならない理由を徹底分析。仲介会社が今すぐできる改善策

反響内見率100%にならない理由を徹底分析。仲介会社が今すぐできる改善策

反響はある。

しかし、内見につながらない。

この課題は、賃貸仲介会社であれば誰もが頭を悩ませるテーマではないだろうか。

反響内見率の向上は、自分が営業をしていた時代から現在のAIが普及した時代まで、一貫して店舗の重要な営業課題であり続けている。

近年はAIによる自動返信やチャット対応、CRMによる追客管理など営業ツールは大きく進化した。

しかし、それでも反響内見率が劇的に100%へ近づいたわけではない。

どれだけテクノロジーが進歩しても、問い合わせをした全員が来店・内見するわけではないのである。

もちろん、反響来店率を100%にすることは現実的には不可能だ。

引っ越しは人生の中でも大きな意思決定であり、ユーザーの状況や気持ちは日々変化する。

だからこそ重要なのは、「どうすれば内見率を上げられるか」を考える前に、「なぜ100%にならないのか」を理解することである。

マイナス要因を一つずつ整理すると、不動産会社として改善できることが意外と多く見えてくる。

まず最も多いのは、ユーザー自身の引っ越し意欲がそれほど高くないケースである。

現在のポータルサイトはスマートフォンで数分あれば簡単に問い合わせができるため、「いい部屋があれば引っ越したい」という程度の温度感で反響を入れるユーザーも少なくない。

仕事が忙しく内見の時間を確保できない、休日の予定が埋まっているなど、生活上の理由から返信そのものを後回しにしてしまうケースも多い。

問い合わせがあったからといって必ず来店につながるわけではなく、反響件数だけを追っていても成果につながらない理由の一つがここにある。

次に多いのが、複数の不動産会社へ同時に問い合わせをしているケースである。

現在のユーザーは一社だけに問い合わせることは少なく、同じ物件を掲載している複数の会社へ一斉に問い合わせることが一般的になっている。

その結果、数分後には電話、メール、LINEが何社からも届き、どの会社がどの担当者だったか分からなくなってしまう。

営業担当者は「一番早く連絡した会社が有利」と考えがちだが、ユーザーから見ると「連絡が多すぎて面倒になった」という心理も少なくない。

さらに、不動産業界特有の事情として、物件の動きが非常に速いことも来店率を下げる原因になる。

問い合わせをした時点では空室だった物件が、内見予定日までに申込みが入り募集終了となることは日常的に起こる。

ユーザーはその物件を見たくて問い合わせをしたのであり、「すでに決まりました」と伝えられると、一気にモチベーションが下がってしまう。

もちろん代替物件を提案することは重要だが、最初に期待していた物件との差が大きいほど、内見そのものを取りやめる可能性は高くなる。

一方で、不動産会社側の対応が原因となって機会損失を生んでいるケースも決して少なくない。

問い合わせをしたにもかかわらず返信が翌日や数日後になってしまう。

返信内容もテンプレートを貼り付けただけで質問への回答になっていない。

担当者とのやり取りに安心感がなく、「この会社に任せて大丈夫なのだろうか」と不安を感じるユーザーもいる。

現在は比較される時代であり、数分で丁寧な返信をする会社もあれば、返信が遅い会社もある。

この差がそのまま来店率の差になっているのである。

逆に、熱心すぎる営業も来店率を下げる要因になることがある。

問い合わせ直後から毎日のように電話がかかってきたり、メールやLINEが何通も届いたりすると、営業担当者としては親切心のつもりでも、ユーザーは「契約を急がされそう」「少し怖い」と感じることがある。

近年は電話よりもLINEやメールで自分のペースでやり取りをしたいユーザーも増えており、相手の温度感を無視した営業は逆効果になることも理解しておく必要がある。

もちろん、不動産会社ではコントロールできない要因もある。

同居予定の家族や配偶者、親から反対されるケースである。

本人は気に入っていても、「家賃が高い」「もっと駅に近い方がいい」など家族間で意見がまとまらず、内見自体が中止になることも珍しくない。

このようなケースは営業努力だけでは防げないが、一定数存在することを理解して数字を分析することは重要である。

では、不動産会社として何ができるのだろうか。

まず最も重要なのは即時レスポンスである。

ただ早く返信するだけではなく、質問に対して的確に答え、「この担当者なら相談しやすそうだ」と安心感を与えることが重要になる。

また、テンプレートだけではなく、問い合わせ物件へのコメントや周辺環境、代替物件の提案など、一人ひとりに合わせた内容を送るだけでも印象は大きく変わる。

営業は「押す」だけではなく、相手の反応を見ながら適切な距離感でコミュニケーションを取ることも大切である。しつこすぎず、放置もしない。

このバランスが来店率を左右する。

さらに近年は、不動産会社としての「見え方」も重要になっている。問い合わせ後、多くのユーザーは会社名や担当者名を検索し、ホームページだけでなくGoogle口コミやInstagram、YouTubeなどのSNSも確認している。

そこで地域情報やスタッフ紹介、接客の雰囲気、実際の契約事例などを継続的に発信していれば、「この会社なら安心できそう」という印象につながる。

来店率は営業担当者だけの問題ではなく、会社全体のブランド力にも大きく左右される時代なのである。

そして忘れてはいけないのが長期的な追客である。

今すぐ引っ越さないユーザーでも、半年後や一年後には引っ越しを検討するかもしれない。

その時に思い出してもらえる会社になるためには、物件情報だけではなく役立つ情報提供や適度なコミュニケーションを継続することが重要だ。

短期的な成約だけを追うのではなく、長期的な関係を築く姿勢が将来の来店や紹介にもつながっていく。

反響内見率は営業担当者一人の能力だけで決まる数字ではない。

ユーザー心理、市場環境、物件の動き、会社のブランド、そして日々のコミュニケーションが複雑に絡み合って生まれる結果である。

だからこそ、「どうすれば内見率を上げられるか」を考える前に、「なぜ内見に来ないのか」を一つひとつ分解して考えることが重要だ。

その原因を潰していくことこそが店舗全体の営業品質を高め、最終的には成約率の向上につながっていくのである。

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監修者情報

株式会社南総合研究所 代表取締役 南 智仁
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