売買契約成立後のレインズ「成約通知」は義務!遅滞なく登録しなければならない理由と違反時のペナルティ

売買契約成立後のレインズ「成約通知」は義務!遅滞なく登録しなければならない理由と違反時のペナルティ

不動産営業において、物件が無事に売れて契約が成立すると一安心ですよね。しかし、契約業務が終わっても安心してはいけません。

宅建業法(つまり、不動産取引を安全で公正に行うための法律のこと)では、指定流通機構に登録した物件が成約した場合、その情報を報告する義務が定められています。

「いつまでに報告するの?」「なぜわざわざ報告しなければいけないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、レインズへの成約通知のルールやその理由、そして違反した際のペナルティについて、知識がない初心者にもわかりやすく噛み砕いて解説します!

結論!契約が成立したら遅滞なくレインズに「成約通知」を行う義務がある

結論から言うと、指定流通機構(つまり、通称レインズと呼ばれる全国の不動産会社が物件情報を共有するためのネットワークシステムのこと)に登録した物件の売買や交換の契約が成立したときは、遅滞なくその旨をシステムに通知しなければなりません

これは、図書館で借りた本を読み終わったら、他の人が借りられるように「返却手続き」をしてデータベースを更新するのと同じです。

システム上の情報を常に最新の状態に保つための重要なルールです。

  • 指定流通機構に登録した物件の売買契約等が成立したときは、遅滞なく通知しなければならない。
  • 通知する情報には、実際の取引価格などの成約情報が含まれる。

契約の種類ごとの通知ルールの違い(一覧表)

登録義務のない一般媒介契約であっても、任意でレインズに物件を登録し、その後契約が成立した場合には、指定流通機構の定めに従って成約情報を通知する必要があります。

媒介契約の種類レインズへの物件登録契約成立後の成約情報の通知
専属専任媒介契約法律上の義務あり義務あり(遅滞なく取引価格等を通知)
専任媒介契約法律上の義務あり義務あり(遅滞なく取引価格等を通知)
一般媒介契約任意(義務なし)任意で登録した場合は通知が必要

【メリット・デメリット】

このルールがあることで、不動産市場で取引されている物件の状況が正確に把握できるという業界全体のメリット(得)があります。

一方で業者にとっては、契約成立後の忙しいタイミングで、システムへの入力作業を忘れずに行わなければならないという事務的なデメリット(手間)がかかります。

なぜ必要?成約情報を通知しなければならない理由

成約情報は他の不動産会社が物件の価格査定を行う際の重要な参考データになるためです。

これは、中古車を買取店に持っていく際、お店の人が「過去に同じ車種がいくらで売れたか」という過去の実績データを見て査定額を決めるのと同じです。

過去の正確な取引データがなければ、適正な価格をつけることができません。

  • 成約情報は、媒介価額の評価(つまり、物件をいくらで売り出すのが適正かを査定すること)を行う際の参考データとして他の不動産会社に提供される。
  • 指定流通機構が公表している平均取引価格などの市況情報の基になる。
  • 結果として、不動産流通の円滑化に極めて重要な役割を果たしている。

【メリット・デメリット】

成約情報を業界全体で共有することで、不動産市場の価格が適正に保たれ、お客様が不当に安く買い叩かれたり、高く買わされたりするのを防げる絶大なメリットがあります。

要注意!通知を怠った場合の行政処分等のペナルティ

成約情報の通知を怠ると宅建業法違反となり、行政からの厳しいペナルティを受ける可能性があります。

宅建業法第34条の2第7項に違反した場合、以下のような監督処分の対象となり得ます。

  • 指示処分(つまり、法令違反があった場合に業務の改善などを命じられるペナルティのこと):違反を是正するための必要な指示を受ける。
  • 業務停止処分(つまり、一定期間営業活動ができなくなる重いペナルティのこと):違反の情状によっては、最長1年間の業務停止を命じられることがある。

【メリット・デメリット】

厳しいペナルティが存在することで、業者にルールを守らせる強制力が働き、レインズのデータへの信頼性が常に高く維持されるというメリットがあります。

まとめ

結論として、指定流通機構(レインズ)に登録した物件の契約が成立したときは、遅滞なく取引価格を含む成約情報を通知する義務があります。

これは専任媒介・専属専任媒介だけでなく、任意で登録した一般媒介契約の物件にも当てはまります。成約情報は、他の不動産会社が物件の価格査定を行うための重要なデータとなり、不動産市場全体の適正な価格形成に不可欠なものです。

通知を怠ると宅建業法違反として、指示処分や業務停止処分などの行政処分を受ける可能性があるため、契約成立後は忘れずにシステムへの入力作業を徹底しましょう。

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免責事項

本記事は、「宅地建物取引業法」および国土交通省の「解釈・運用の考え方」の概要を、実務に携わる方向けに分かりやすく要約・解説したものです。正確な情報提供に努めておりますが、法令の厳密な定義や例外規定をすべて網羅しているわけではありません。最終的な法解釈や、お客様との個別具体的な取引における適法性のご判断につきましては、ご自身の責任において法令の原文を直接ご確認いただくか、行政機関・弁護士等の専門家へご相談いただきますようお願いいたします。

監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川 竜介
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