【隣家から聞こえる執拗な怒鳴り声】迷惑防止条例は適用されるのか

【隣家から聞こえる執拗な怒鳴り声】迷惑防止条例は適用されるのか

「入居して1か月なのですが、隣家から連日のように恐ろしい怒鳴り声が聞こえてくるんです……」

以前、筆者のもとに一般の方(以下、Aさん)から切実なご相談が寄せられました。

不動産取引の現場において、住環境を巡るトラブルの発生は後を絶ちません。

なかでも、特定の隣人などから発せられる「怒鳴り声や暴言」「執拗なクレーム」などは、居住者の精神をじわじわと苛み、日常生活の平穏を根底から脅かしかねない深刻な問題です。

防音性の低い集合住宅においては、隣室からの壁叩きや下の部屋から棒などで天井を叩くなどの行為によって居住者間にトラブルが発生する事態に発展することもありますし、相当の防音性を備えているはずの分譲マンションでも、騒音問題と無縁ではいられません。

これは、一戸建てでも同様です。

不動産実務に携わる私たちにとって、こうした騒音問題を始めとする「相隣関係のトラブル」は他人事ではありません。

トラブルが発生した際、「あらかじめ隣人がこのような人だと知っていれば、購入(あるいは賃貸)していなかった」とクレームを入れられるケースも珍しくはないからです。

そもそも、売買や賃貸の仲介において、「媒介業者がどこまでの調査・説明義務を負うのか」という問題は、一律に線引きできるものではありません。

例えば、国土交通省が策定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、宅地建物取引業者が媒介を行う場合、売主・貸主に対し、過去に生じた人の死について告知書等に記載を求めることにより、通常の情報収集としての調査義務は果たしたものと整理しています。

宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン,調査について

この見解を拡大解釈し、媒介業者の中には時折、告知書等に記載を求めるだけで相隣トラブルや家屋・設備機器の不具合までを含め、調査・説明義務を果たしたと考えているケースが見受けられます。

ですが、これはあくまでも「人の死」に関する告知について国土交通省が示したガイドライン上の整理です。

同ガイドラインは、人の死という事案について、宅地建物取引業者が通常の情報収集としてどこまで調査すべきかという範囲を、裁判例や取引実務等を踏まえて整理し、一定の見解を示したに過ぎないのです。

そのうえで、亡くなった方やその遺族等の名誉・生活の平穏への配慮が必要であり、インターネットや近隣住民等の第三者から得られる情報は正確性の確認が難しいことなどから、第三者への聞き込みなどについて慎重な対応が求められるとしたのです。

したがって、このガイドラインの考え方を、相隣トラブルや家屋・設備機器の不具合にまで当然に広げて考えることはできないのです。

つまり、相隣トラブル等に関しては、告知書等を提示するだけでは調査・説明義務が尽くされたと見なされない可能性があることを、私たちは理解しておく必要があるのです。

そもそも、私たち媒介業者は、購入(あるいは賃貸)の意思決定に影響を及ぼす重要な事項について、「故意に事実を告げず、または不実の事を告げる行為」が禁じられています。

したがって、たとえ噂話の域を出ないとしても、「隣人が口うるさく過去にトラブルを起こしている」との情報を得ていた場合、その情報の内容や確度、意思決定に及ぼす影響などによっては、事実を秘匿したと追及される可能性があるのです。

媒介業者には媒介契約に基づく善管注意義務が問題となるほか、民法第1条第2項に基づく「信義誠実の原則」も適用されるため、どこまで調査を行い説明責任を果たすのかという線引きが、非常に難しいのです。

例えば、過去に隣人の怒鳴り声や奇行で警察沙汰になっている、あるいは前居住者の退去理由や売却理由が「相隣関係のトラブル」に起因したと知っていれば、その事実を告知する義務を負う可能性があります。

この場合、たとえ売主からの告知がなかったとしても、内見時に隣家から怒鳴り声が聞こえていた、あるいは敷地外や共用部に近隣トラブルの存在を予見させる張り紙や警告文が掲示されている場合には、その具体的な内容を確認する必要性が高まります。

このような隣人トラブルや騒音、奇行に関する裁判例では、「不都合な事実の認知状況」と「トラブルの程度(受忍限度を超えているか否か)」が争点となりますが、皆さんと考えたいのは裁判例ではありません。

迷惑防止条例をはじめとする法令を適用することで、隣家からの怒鳴り声等を抑制することが可能かどうかです。

本稿ではAさんから寄せられた具体的な相談事例を出発点とし、「隣家からの怒鳴り声」に対して迷惑防止条例をはじめとする各種法令がどのような抑止力・実効性を持ち得るのか、さらには私たち不動産事業者が実務上知っておくべき法理と対応策について、わかりやすく解説・考察していきたいと思います。

「怒鳴り声」や隣家からの騒音に、迷惑防止条例が適用されるのか

迷惑防止条例は各都道府県が制定していますが、正式名称として「公衆に著しく迷惑をかける暴力的行為等の防止に関する条例」などが採用されていることからも分かるとおり、あくまでも公共の場所における痴漢や盗撮、つきまとい、粗暴行為などの迷惑行為を取り締まることを目的に制定された条例です。

刑法ではカバーしきれない地域社会の平穏や住民の生活を保つ目的で制定されてはいるものの、隣家からの怒鳴り声や騒音に対して適用されるかは別途検討する必要があります。

現実には、私人間の相隣トラブルに迷惑防止条例が適用される場面は、極めて限定的であると理解しておくのが無難かもしれません。

例えば、先述したAさんは札幌市の一戸建住宅にお住まいです。

そのため、筆者は北海道迷惑行為防止条例を紐解きました。

第1条では「道民及び滞在者に著しく迷惑をかける行為を防止し、もってその生活の平穏を保持することを目的とする」とされていたため、「相隣トラブルでも適用されるのでは」と考えました。

しかし、続く第2条ではその対象を「道路、公園、広場、駅、興行場、飲食店」など、あくまでも公共の場所としていることが分かりました。

そこで、北海道庁に相隣トラブルについて条例が適用される余地があるのかを問い合わせたところ、「迷惑防止条例はあくまでも、刑法ではカバーしきれない迷惑行為を防止する目的で制定されているため、相隣トラブルに適用することは困難です」と回答されました。

先述したように、迷惑防止条例は各都道府県が制定しているため、規制対象となる行為や罰則に違いがあります。

しかし、他府県の条例を幾つか確認したところ、私人間の相隣トラブルについて、一般的に迷惑防止条例が適用できるとする規定を確認することはできませんでした。

「迷惑防止条例」との名称から、日常生活における他人からの迷惑行為全般に適用されると考えがちですが、実際には規制対象となる行為や場所、適用要件が詳細に定められているため、要件に該当しなければ、たとえ当人が強い苦痛を感じていたとしても、条例違反とされるわけではないのです。

それでは、Aさんのように隣家から連日のように怒鳴り声などの嫌がらせ行為を受けていた場合、法的に対応する手段はないのでしょうか。

もちろん、そんなことはありません。

迷惑防止条例は適用されなくとも、民事上の不法行為にあたるとして損害賠償を請求できる可能性がありますし、怒鳴るのみならず壁や窓を叩く、あるいは物を投げるといった行為がある場合には、刑法上の犯罪に該当する可能性を検討することもできます。

ここにこそ、不動産業者が相隣トラブルを考えるうえで欠かせない重要な視点があるのです。

その際、特に注目したいのが「反復性」「悪質性」「証拠」の3点です。

隣家からの怒鳴り声などの相隣トラブル,重要な3つの視点

①反復性

例えば、何かをきっかけとして一度だけ怒鳴られたのであれば、それだけで直ちに「継続的な嫌がらせ」と評価されることはないでしょう。

しかし、一日に何度も、連日のように怒鳴られているのであれば、単発的な相隣トラブルとは異なり「継続的な嫌がらせ」として評価すべき事情となります。

とはいえ、反復性があるからといって、それだけで犯罪が成立するわけではありません。発言内容や行為の態様などと併せて、違法性が判断されるからです。

それだけに、いつ(日時)、どのくらいの時間、どのような声量で、どのような発言を発し、誰に向けて怒鳴っていたのか、さらには壁や窓を叩く、物を投げるといった行為を伴っていたのかどうかを記録しておくことが大切です。

証拠集めの重要性については後述しますが、「毎日のように怒鳴られる」といった抽象的な記録ではなく、具体的な日時や発言内容、行為の態様までを記録しておくことで、行政や警察、管理会社等へ相談する際に状況を伝えやすくなります。

②悪質性

たとえ一度だけの行為や態様であったとしても、「殺す」「殴る」など相手に危害を加えるような発言をする、あるいは自身に向かって物を投げられたといった場合には、反復性によらず法的な問題をはらむ可能性があります。

特に、「殺す」「殴る」「むちゃくちゃにしてやる」など、危害が加えられると受け取れる発言は、その内容自体がこちらに恐怖を与えるものであるため、単なる大声や苦情とは区別して考える必要があります。

また、怒鳴る行為に加えて、壁や窓、玄関ドアを叩くなど、威圧的・攻撃的な行為を伴っている場合には、問題の程度がさらに大きくなります。

つまり、相隣トラブルにおいて重要なのは反復性だけではないのです。

「何を言ったか」「どのような行為をしたか」「どの程度の恐怖や危険を感じさせる態様であったのか」という点も、法的な評価を左右する重要な要素となります。

さらに、発言や行為が悪質に見えるからといって、直ちに特定の犯罪が成立すると判断してはなりません。

発言自体は脅迫罪を成立させる要件の一つとなりえる一方で、発言の内容や状況、相手との関係性など、発言内容以外の要件も含めて考慮されるからです。

③証拠

刑事事件である脅迫罪を立証するには、被疑者が被害者に対して生命、身体、自由、名誉または財産に対する害悪を告知したなど、犯罪の成立要件が満たされていることを、検察官が具体的な証拠によって立証しなければなりません。

また、迷惑防止条例を適用して警察等が動く場合にも、実際にどのような行為が行われたのかを具体的に確認できる証拠が重要となります。

そのため、隣家からの怒鳴り声や威圧的な行為に悩まされている場合には、できる限り客観的な証拠を残しておく必要があります。

脅迫罪は親告罪ではありませんから、本来であれば被害者に立証責任はありません。

しかし、捜査機関が事実関係を把握し、適切な対応を検討するためには、被害状況についての具体的な供述や証拠が重要となります。

それだけに、怒鳴り声が聞こえた日時、どのくらいの時間続いたのか、発言内容、発言が向けられた相手、壁や窓などを叩いた行為の有無などを都度記録すると同時に、可能であれば、スマートフォンなどを利用して、安全に配慮しつつ録音や動画の撮影を行っておくことが推奨されるのです。

例えば、

「10月5日午後8時ごろ、隣家から約5分間にわたり大声で、『早く引っ越せ』『引っ越さなかったら、どうなるか覚えておけ』との発言があった」「10月7日午前7時30分頃、誰が捨てたのかまでは不明だが、玄関前に生ゴミが散乱していたことに気がついた」といった具合です。

このように具体的な記録が蓄積されていれば、捜査機関等が単なる近隣住民間の行き違いによるものか、それとも継続的かつ悪質な嫌がらせなのかを判断するうえで重要な資料となるでしょう。

警察や行政機関、マンションの管理組合などへ相談に赴く際には、このような資料を提示することで相談先も対応しやすくなりますが、一度の相談で対応してくれるとは限らず、さらに、動いてくれたとしても直ちに問題が解決されるとは限りません。

それだけに、それ以降も同様の行為が続いた場合には、それらも漏れなく記録しておく必要があります。

もっとも、証拠集めに意識が集中し、それにより新たなトラブルを招いてしまうようでは本末転倒です。

例えば、あからさまにスマートフォンを相手方に向けて動画を撮影すれば、さらに逆上しかねません。具体的な暴力行為に発展してしまう可能性があります。

あくまでも自身の安全を確保できる範囲で記録を残すことが重要です。

このように、「反復性」「悪質性」「証拠」という3つの視点から、隣家からの怒鳴り声などが法的な問題となり得る場合について考えてきましたが、安全が確保され、相手方との話し合いが可能な状況であれば、円満に解決されることが理想です。

警察や行政等の公的機関が介入した場合、少なからずお互いに遺恨が残ります。

賃貸であれば転居という選択が比較的容易ではありますが、持家の場合、そう簡単ではありません。

不動産業者は、民事と刑事の違いや証拠集めの重要性を理解しつつ、問題を解決するためには何が最適解となり得るのかを、個別具体的に検討する必要があるのです。

不動産業者はどう対応すべきか

ここまで、隣家からの怒鳴り声などについて、迷惑防止条例の適用可能性や、民事・刑事上の問題となる可能性、さらには「反復性」「悪質性」「証拠」という3つの視点から考えてきました。

では、実際にAさんのような相談が皆さんに寄せられてきた場合、どのように対応すればよいのでしょうか。

「弁護士ではないのだから、相談に応じる必要性自体がない」

「忙しいのになぜ、相談に応じる必要があるんだ」

「そもそも、不動産業者が対応する問題ではない」

といった声が聞こえてきそうです。

実際、隣人同士の紛争を解決することは、不動産業者の業務ではありません。

ですが、自社の顧客から「毎日のように隣家から怒鳴り声が聞こえる」「怖くて自宅へ帰ること自体が不安だ」と相談されて、「申し訳ございませんが、弊社では対応いたしかねます。しかるべき機関にご相談ください」などと、一蹴できるものでしょうか。

対応を試みるか否かは皆さん次第ではありますが、顧客から深刻な相談が寄せられたのであれば、少なくとも具体的な事実を確認する姿勢が必要だと、筆者は考えます。

そもそも、相談者の訴えが単なる生活音や一時的な口論、あるいは人間関係の縺(もつ)れなのか、それとも継続的な嫌がらせや脅迫、暴力行為につながる危険性を含んでいるかは、詳細を確認しなければ判断できません。

具体的な態様によって、取るべき対応が大きく異なるからです。

助言に留まるか、あるいは具体的に関与するかは皆さん次第ではありますが、まずは「何が起きているのか」という事実関係を確認する必要があるでしょう。

つまり、前章で説明した「反復性」「悪質性」「証拠」を確認するのです。

例えば、「隣人がうるさい」という相談だけでは、単なる生活音に対する不満なのか、あるいは継続的な嫌がらせや迷惑行為であるのかを判断できません。

一方で、「毎晩10時頃になると怒鳴り声が聞こえる」「玄関ドアを叩かれる」といった情報が得られれば、単なる騒音問題ではないことが分かります。

不動産業者が犯罪の成否を判断してはなりませんが、相談者から聞き取った事実を整理したうえで、必要に応じて警察や弁護士など、専門的な判断ができる機関への相談を促すことが重要です。

また、不動産業者が介在することで解決につながる可能性がある場合には、適切な範囲で関与することも一つの選択肢となるでしょう。

もっとも、生命や身体に危害が及ぶ可能性がある場合には、安易に話し合いを勧めてはなりません。

問題を解決するどころか、相談者をより危険な状況に置くことになりかねないからです。

つまり、不動産業者に求められているのは、すべての相隣トラブルを自ら解決することではないのです。

相談者の話を聞き、事実関係を整理し、危険性の有無を見極めたうえで、必要に応じて適切な相談先へつなぐことこそが重要なのです。

その際、最も大切なのが「記録」です。

たとえ被害が甚大なものであったとしても、それを相談相手や専門機関に伝えられなければ、理解を得るのは困難です。

また、人間には少なからず物事を主観で見る傾向があるため、事実関係と本人の認識との間にズレが生じている可能性もあります。それだけに、感情を交えない事実関係の記録が不可欠なのです。

緊急性が低いと判断される場合には、まず被害の記録を蓄積してもらうよう促します。

決して、善意からとはいえ事実関係が確認できない状態のまま、相手方と直接交渉してはなりません。

そうした行動を取れば、かえってトラブルを激化させる可能性すらあるからです。

不動産業者は、安易に「自分たちで解決する」と考えるのではなく、「適切な解決につなげる」という発想こそが必要なのです。

ここで、実際に筆者が相談を受けたAさんの後日談を紹介しましょう。

幸いなことに、Aさんの問題は解決しています。

筆者は相談を受けた際、まずは具体的な記録と併せて、可能であれば録音や動画を撮影することを提案しました。結果、1週間で5回、大声で怒鳴られるという事実が、客観的な記録として確認できました。

内容の性質上、具体的な発言の記載は控えますが、精神的な苦痛を伴う行為であるのは間違いありません。

そのため、弁護士に相談したうえでAさんが警察へ被害届を提出する際に同行し、併せて、弁護士から内容証明郵便を送付してもらいました。

注意していただきたいのは、筆者はAさんからの主張だけを根拠に、相手方に対して法的措置を検討したわけではないということです。

まず相談内容を具体的に確認し、記録を残してもらい、その内容から問題の反復性や悪質性、危険性を確認しました。

そのうえで、筆者だけで判断するのではなく、弁護士に相談し、専門的な判断を踏まえて対応を進めたのです。

警察は厳重注意にとどめ、逮捕・送検したわけではありません。

ですが、警察から注意を受けたという事実と、弁護士から発せられた内容証明郵便が効果を発揮したのでしょう。

それ以降、嫌がらせ行為は収まりました。

とはいえ、お互い顔を合わせることがないよう、外出時などにおいては気配を探り合うといった、やや緊張感の残る状態が続いています。

後日、近所から聞き及んだ話では、隣人はごみ捨てや迷惑駐車など、以前からたびたび問題行動を起こしていたようです。

逆恨みの危険性もあるため、万事解決したという判断はできないものの、一旦は経過を観察している状態です。

Aさんのケースでは結果として相手方の嫌がらせ行為を止めることにつながりました。

ですが、すべての相隣トラブルがこのようにスムーズな形で解決できるとは限りません。

それだけに、不動産業者が関与する際には、「感情論に流されず客観的証拠を揃えること」「独断では決して抱え込まず専門機関へ正しくつなぐこと」という原則を徹底しなければならないのです。

顧客の安心・安全な生活を守るための第一歩は、正しい事実確認と冷静なアドバイスから始まるのです。

まとめ

これまで、筆者に寄せられた相談に基づく印象としては、相隣関係を巡るトラブルは、単なる近隣住民同士の行き違いでは済まされないケースが多いと感じています。

もちろん話し合いの場を持ち、譲り合う精神を発揮することで速やかに問題が解決できるケースもあります。

ですが、その一方で確執が長期化している場合には、一筋縄では解決できない場合が多いのです。

実際、せっかく購入した物件を、相隣トラブルを原因に売り出した事例は数多く確認されます。

私たち不動産業者は、売却の理由が相隣トラブルであると事前に知ったのなら、遅くとも購入検討者が判断をする前までに説明をする必要があります。

しかし、私たちに寄せられる相談は売買取引だけではありません。

本稿で解説したように、迷惑防止条例をはじめとする各種法令の適用を検討しなければならないほどの相隣トラブルについても、時に寄せられることがあるのです。

もちろん、そのような相談に応じるか否か、さらには積極的に介入するか否かは皆さんの判断次第ではあります。

しかし、だからといって一切の相談には応じないとの姿勢はいかがなものでしょうか。

少なくとも詳細を聞き取り、顧客にとって有益な対策を説明する知見は有しておきたいものです。

顧客の安心・安全な生活を守る第一歩は、正しい事実確認と冷静なアドバイスから始まることを、忘れてはならないからです。

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