【宅建業法】宅地建物取引業(宅建業)とは?免許が必要な基準をわかりやすく解説

【宅建業法】宅地建物取引業(宅建業)とは?免許が必要な基準をわかりやすく解説

不動産業界に足を踏み入れたばかりの方や、これから不動産取引をビジネスとして始めようと考えている方にとって、最初にぶつかる壁が「宅建業の免許は必要なのか?」という疑問ではないでしょうか。

宅建業法(つまり、不動産取引の公正を確保し、購入者等の利益保護と流通の円滑化を図るための法律のこと)では、特定の取引をビジネスとして行う場合に免許を義務付けています。

この記事では、そもそも「宅地建物取引業(宅建業)」とは何か、そして免許が必要となる「業として行なう」の5つの判断基準について、初心者にもわかりやすく噛み砕いて解説します。

ルールを正しく理解し、安全な不動産ビジネスの第一歩を踏み出しましょう!

宅建業とは?免許が必要になる「3つの取引」

結論から言うと、宅建業とは、不動産の「売買・交換」を自ら行うか、不動産の「売買・交換・貸借」の仲介や代理をビジネスとして行うことです

これは、自分で作った野菜を売ったり、他人の野菜を代わりに売ってあげたりする「八百屋さん」を開業するための営業許可のようなものです。

宅建業の免許が必要な取引は、主に以下の3つに分類されます。

  • 自ら売主・買主となって宅地や建物の「売買・交換」をする場合
  • 他人の「売買・交換」の代理・媒介(つまり、他人の間に入って契約を成立させるお手伝いをするということ)をする場合
  • 他人の「貸借」の代理・媒介をする場合

注意!「自ら貸借(大家さん)」は宅建業にあたらない

自分が所有するアパートやマンションを他人に直接貸す行為は、宅建業には該当せず、免許は不要です

法律上の宅建業の定義に「自ら貸借する」という文言は含まれていません。

【メリット・デメリット】

このルールにより、親から不動産を相続した一般の人が、わざわざ難しい免許を取らなくても大家さんになれるというメリットがあります。

ただし、貸主と直接契約する借主は宅建業法の強力な保護(重要事項説明など)を受けられないため、トラブル回避のために宅建業者に仲介を依頼するのが実務上は一般的であるというデメリット(懸念点)もあります。

免許が必要な「業として行なう」の5つの判断基準

自らの物件を売買する場合でも、それを「業として行なう」(つまり、宅地建物の取引を社会通念上事業の遂行とみることができる程度に行う状態のこと)と判断されれば免許が必要です

国土交通省のガイドラインでは、事業性があるかどうか(免許が必要かどうか)を、以下の5つの基準を参考に諸要因を勘案して総合的に判断します。

判断基準事業性が高い(免許が必要な可能性大)事業性が低い(免許が不要な可能性大)
1. 取引の対象者広く一般の者を対象に取引を行おうとする親族や隣接する土地所有者など代替が容易でない者に売る
2. 取引の目的利益を目的とする相続税の納税や住み替えのために売る
3. 物件の取得経緯転売して儲けるために取得した物件を売る相続した物件や自ら使用するために取得した物件を売る
4. 取引の態様自ら購入者を募り一般消費者に直接販売する宅建業者に代理や媒介を依頼して販売する
5. 取引の反復継続性反復継続的に取引を行おうとする、または区画割りして売る1回限りの取引

1. 取引の対象者(誰に売るか)

広く一般の消費者を対象に取引を行おうとする場合は事業性が高いとみなされます。逆に、親族間や隣接する土地所有者など、代替が容易でない特定の関係にある者に売る場合は事業性が低いと判断されます。

2. 取引の目的(何のために売るか)

利益を目的とするものは事業性が高いとみなされます。逆に、相続税の納税や住み替えに伴う既存住宅の処分など、特定の資金需要を満たす目的であれば事業性は低いとされます。

3. 物件の取得経緯(どうやって手に入れたか)

転売目的で取得した物件を売る場合は事業性が高くなります。個人の居住用住宅や事業所の工場、社宅など、自ら使用するために取得した物件を売る場合は事業性が低くなります。

4. 取引の態様(どうやって売るか)

自ら直接購入者を募り一般消費者に直接販売しようとする場合は事業性が高く、宅地建物取引業者に代理や媒介を依頼して販売しようとする場合は事業性が低くなります。

5. 取引の反復継続性(何回売るか)

反復継続的に取引を行おうとする場合は事業性が高くなります。

また、現在の状況だけでなく過去や将来の行為も含めて判断され、1回の販売行為であっても、区画割り(つまり、一つの土地を複数に分割して複数の者に売るということ)をする場合は反復継続的な取引に該当し、免許が必要になります。

【メリット・デメリット】

これらの明確な基準があることで、プロではない一般の人が1回だけ自宅を売るようなケースが厳しい宅建業法のルールの対象外となり、スムーズに取引できるメリットがあります。

反面、基準を知らずに無免許で反復継続して利益目的の売買を行うと、法律違反として厳しい罰則を受けるデメリット(リスク)があります。

まとめ

宅地建物取引業(宅建業)の免許は、不動産の売買や仲介をビジネス(業)として行う場合に必要です。

自分が所有する物件を貸すだけの「大家業」には免許は不要ですが、自分の物件を売買する場合でも、利益目的で不特定多数に繰り返し売ったり、区画割りをして売ったりするなど「業として行なう」と判断されれば免許が求められます。

実務においては、この5つの判断基準をしっかり理解し、無免許営業のリスクを避けることが最も重要です。

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免責事項

本記事は、「宅地建物取引業法」および国土交通省の「解釈・運用の考え方」の概要を、実務に携わる方向けに分かりやすく要約・解説したものです。正確な情報提供に努めておりますが、法令の厳密な定義や例外規定をすべて網羅しているわけではありません。最終的な法解釈や、お客様との個別具体的な取引における適法性のご判断につきましては、ご自身の責任において法令の原文を直接ご確認いただくか、行政機関・弁護士等の専門家へご相談いただきますようお願いいたします。

監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川 竜介
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