宅建業者票(標識)のデジタルサイネージ掲示ルール!営業時間外の消灯対応とインターネット閲覧代替措置

宅建業者票(標識)のデジタルサイネージ掲示ルール!営業時間外の消灯対応とインターネット閲覧代替措置

宅地建物取引業者(つまり不動産会社のこと)の事務所などに必ず掲示されている「宅建業者票」ですが、「紙の看板ではなく、デジタルサイネージ(つまり電子看板や液晶ディスプレイのこと)でかっこよく表示したい」と考えたことはありませんか。

宅地建物取引業法(つまり不動産取引のルールを定めた法律のこと)の解釈・運用の考え方が更新され、一定のルールを満たせばデジタルサイネージでの掲示が公式に認められました。

この記事では、デジタルサイネージでの標識掲示ルールや、営業時間外の消灯対応について、法律の知識がない初心者でもスッと理解できるように、日常の出来事に例えながらわかりやすく解説します。

結論:宅建業者票のデジタル化とは、お店の「公式な名刺」を電子看板で表示すること!

結論から言いますと、一定のルールさえ守れば、宅建業者票はアクリルの看板や紙の額縁でなくても、デジタルサイネージに表示してOKとなりました。

これは、紙のメニュー表をタブレットの注文画面に変えるのと同じように、お客様が見たい時にきちんと確認できる状態であれば、デジタルの画面で「公式な名刺」を提示しても良いというルールです。

ただし、ただ画面に映すだけではなく、営業時間外の対応など細かな決まりが存在します。

そもそもなぜ掲示が必要?宅建業者票(標識)とは

宅建業法第50条第1項では、不動産会社は事務所や案内所ごとに、公衆の見やすい場所に「標識」を掲げなければならないと定めています。

この標識には、免許証番号や専任の宅地建物取引士(つまり不動産取引の専門家としての国家資格者のこと)の氏名などが記載されています。

これは、飲食店の入り口に飾ってある「営業許可証」のようなもので、お客様が「このお店は国や県の厳しい審査を通った安全な会社だ」と確認して安心して取引を行うための重要なツールです。

デジタルサイネージで掲示するための3つの必須要件

国土交通省の「解釈・運用の考え方」によれば、デジタルサイネージ等を利用して標識を掲示する場合、以下の3つの要件をすべて満たさなければなりません。

1. いつでも確認できる状態にすること

営業時間内はもちろんのこと、公衆(つまりお客様や一般の人のこと)が必要なときにいつでも標識の内容を確認できる仕組みにしなければなりません。

2. 標識が見られることを常に案内すること

デジタルサイネージの画面上、またはそのすぐ横(画面の外でも可)に、「ここで宅建業者票が確認できますよ」という案内を、常にお客様にわかりやすい形で表示しておく必要があります。

メニュー画面が複雑で、どこをタッチすれば標識が出るのかわからない、という状態はNGです。

3. 営業時間外でも画面を表示させる仕組み(人感センサーなど)

一部の標識については、お店が閉まっている「営業時間外」であっても、外から来た人が標識を確認できるようにしなければなりません。

画面を常につけっぱなしにするか、あるいは人が近づいたときにパッと画面がつく「人感センサー」や、画面に触れることで表示される仕組みなどを導入する必要があります。

【重要】夜間に消灯したい場合の「インターネット閲覧代替措置」

ここで、「うちの店舗は住宅街にあるから、夜中にずっと画面をピカピカ光らせたり、人が通るたびに画面が点灯したりするのはご近所迷惑になってしまう」というケースが出てきます。

ネットで閲覧できる旨の案内を出せば消灯OK

このような周辺環境への配慮が必要であり、営業時間外に画面を消灯したい場合は、特別に「インターネットでの閲覧」で代用することが認められています。

具体的には、デジタルサイネージの周囲に「営業時間外の標識は、インターネット上で閲覧が可能である」という案内を掲示しておくことで、営業時間外はサイネージでの表示に代わり、インターネットで標識を見てもらう措置を講じることができます。

これは、「夜間は窓口が閉まっているので、お問い合わせはWebサイトへお願いします」という案内板を立てておくのと同じような便利な仕組みです。

デジタルサイネージルールのメリット・デメリット

デジタルサイネージによる掲示が認められたことには、次のような意味があります。

項目内容
メリット不動産会社にとっては、事務所やモデルルームの景観やデザインに合わせて、スマートで現代的な標識の掲示ができるようになります。
また、免許の更新や専任の宅建士の変更があった際にも、わざわざ新しい看板を作り直す必要がなく、データ(表示内容)を更新するだけで済むという大きな得があります。
デメリット人感センサー機能がついた機器の導入や、インターネット閲覧用のWebページの作成など、初期のシステム設定に費用と手間がかかります。
要件を満たさずに「ただの画像」を流しているだけでは、標識掲示義務違反(宅建業法違反)となるリスクがあります。

まとめ

宅建業者票(標識)のデジタルサイネージ掲示ルールについて解説しました。

重要なポイントを箇条書きで振り返りましょう。

  • 一定の条件を満たせば、標識は書面ではなくデジタルサイネージで掲示できる。
  • 必要なときにいつでも標識が見られる案内を、常に表示しておくこと。
  • 営業時間外でも、人感センサーや画面タッチで表示させる必要がある。
  • 住宅街などで夜間に消灯したい場合は、インターネットでの閲覧案内を出せばOK。

デジタルツールの活用は、日々の業務を効率化し、お客様に先進的なイメージを与えることができます。

不動産業に従事する皆様は、この新しいルールを正しく理解し、法令遵守とご近所への配慮を両立しながら、スマートな店舗づくりに活かしていきましょう。

あわせて読みたい

免責事項

本記事は、「宅地建物取引業法」および国土交通省の「解釈・運用の考え方」の概要を、実務に携わる方向けに分かりやすく要約・解説したものです。正確な情報提供に努めておりますが、法令の厳密な定義や例外規定をすべて網羅しているわけではありません。最終的な法解釈や、お客様との個別具体的な取引における適法性のご判断につきましては、ご自身の責任において法令の原文を直接ご確認いただくか、行政機関・弁護士等の専門家へご相談いただきますようお願いいたします。

監修者情報

ミカタ株式会社 代表取締役 荒川 竜介
あなたへのおすすめ