【宅建業法】「専任の宅地建物取引士」の設置義務とは?必要な人数と専任性をわかりやすく解説

不動産会社で働く上で必ず耳にする「専任の宅地建物取引士(宅建士)」。
会社を設立するときや新しい店舗を出すとき、あるいは物件の販売会を行うときには、この専任の宅建士を法律のルールに従って配置しなければなりません。
しかし、「専任ってどういう意味?」「受付のスタッフも人数に含めるの?」など、実務において疑問を抱く方も多いでしょう。
この記事では、宅建業法のルールに基づく専任の宅建士の設置義務や、従業員の人数の計算方法、そして「専任性」の条件について、知識がない初心者でも理解できるよう噛み砕いて解説します。
結論!宅建業の営業には「専任の宅建士」が絶対必要
結論から言うと、不動産取引のビジネスを行う事務所や案内所には、必ず国が定めた人数の「成年者である専任の宅地建物取引士」を配置しなければなりません。
これは、病院を開業するときに「必ず常勤の医師を置かなければならない」というルールと同じです。
専門的な知識を持つ責任者が常に現場にいることで、安全な取引を守るための仕組みです。
宅地建物取引業法(つまり、不動産取引の公正を確保し、購入者等の利益の保護と流通の円滑化を図るための法律ということ)では、以下のように定められています。
【メリット・デメリット】
このルールがあることで、消費者はいつでも専門家のサポートを受けながら安心して高額な不動産契約ができるというメリット(得)があります。
一方で業者にとっては、常に有資格者を確保し続けなければならず、人件費などのコストがかかるデメリット(経営上の負担)があります。
必要な人数は?「業務に従事する者の範囲」に注意
事務所に配置すべき専任の宅建士の人数を計算する際は、営業担当者だけでなく、受付や秘書なども「業務に従事する者」として計算に含まれます。
【メリット・デメリット】
受付や秘書も人数に含めるという厳しい基準があることで、店舗全体に対して十分な人数の専門家が配置され、お客様への説明漏れなどのトラブルを防げるメリットがあります。
しかし、事務スタッフを雇うだけでも資格者の増員が必要になるケースがあり、採用計画が難しくなるデメリットがあります。
「専任性」の判断基準!常勤・専従とは?
「専任」として認められるには、その事務所に「常勤」し、かつ「専らその業務に従事」していなければなりません。
これは、サッカーのチームに所属している選手が、試合中に別のチームの助っ人としてプレーすることが許されないのと同じです。自分のチーム(事務所)の仕事に専念する必要があります。
専任の宅地建物取引士(つまり、事務所に常駐して重要事項説明などを行う不動産のプロ資格者のこと)の要件は以下の通りです。
| 条件 | 具体的な意味 |
|---|---|
| 常勤 | 業者の通常の勤務時間を勤務すること(IT活用等による適切なテレワーク等を含む) |
| 専従 | 専ら当該事務所に係る宅建業の業務に従事すること |
なお、事務所が建築士事務所や建設業の営業所などを兼ねており、そこで他の法令で「専任」が求められる業務に従事する場合は、原則として専任の宅建士とは認められません。
【メリット・デメリット】
専任のルールが厳格なことで、名義貸しなどの不正がなくなり、常に責任感のあるプロが現場を取り仕切るメリットがあります。
しかし、優秀な社員が他の国家資格の専任者を兼務できないなど、人材の柔軟な配置が制限されるデメリットがあります。
欠員が出たらどうなる?「2週間以内」の補充義務
退職などで専任の宅建士が不足してしまった場合、会社は「2週間以内」に新しい宅建士を補充するなどの措置を執らなければなりません。
これは、飲食店の厨房で調理師免許を持った人が辞めてしまったら、急いで新しい調理師を雇わなければお店を営業できなくなるのと同じような状況です。
【メリット・デメリット】
補充までの猶予期間(2週間)が設定されていることで、突然の退職など不測の事態が起きても、即座に法律違反で営業停止にならないという業者側のメリット(救済措置)があります。
ただし、2週間という期間は採用活動をするには非常に短く、常に資格者の欠員リスクに備えておく必要があるというデメリット(プレッシャー)が伴います。
まとめ
結論として、宅建業を営む上で「専任の宅地建物取引士」の設置は法律で義務付けられた最も重要なルールの一つです。
単に資格を持っているだけでなく、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事する「専任性」が厳しく求められます。
また、受付や秘書を含む従業員数に対して適切な人数を配置する必要があり、欠員が生じた場合は「2週間以内」に補充しなければなりません。
これらのルールに違反すると業務停止等の重いペナルティが科されるため、実務においては常に自社の有資格者の人数と雇用状況を正確に把握し、余裕を持った人員配置を心がけることが大切です。
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