賃貸管理でかかるコストと相場

今回は、保有している不動産を賃貸管理会社に任せた際に係るコストについて、オーナーから見た相場観を含めて解説したいと思います。

価格設定や必要な項目が網羅できているか、自社の競争優位性の把握等に参考にしていただけたらと思います。

賃貸管理でかかるランニングコスト

賃貸管理を管理会社に依頼した場合、主に以下の費用が月額で掛かってきます。

ひとつひとつ詳細と費用感を見ていきたいと思います。

① 管理料

内容：主に物件入居者の契約管理や入金管理、問い合わせ対応のための費用として設定されます。

② 巡回清掃費用

内容：建物共用部の月次の清掃業務です。掃き掃除を中心とした共用廊下、階段、外構部の清掃となります。

③ 高圧洗浄費用

内容：月次の掃き掃除等では落し切れない汚れを高圧洗浄にて清掃します。都度見積のケースもありますが、年1回程度で月額にすることで割安に設定されるケースもあります。

相場：月額2,000円～3,000円前後

④ 消防設備点検費用

内容：主に消火器、避難器具、自動火災報知機、誘導灯など消火消防設備の点検と消防署への届け出のための費用です。

小規模アパートの場合実施が不要なケースもありますが、多くは法令で義務付けられているため報告がないと罰金が科されるケースがあります。

物件所在の自治体に必要な規模や要件は異なりますので、確認が必要です。

⑤ 建物設備点検費用

内容：建物共用部に付属する設備の点検費用です。

例）受水槽、浄化槽、給水ポンプ、ELV

⑥ 振込手数料（送金事務手数料）

内容：銀行振り込みに伴う手数料や、送金明細・収支報告書作成事務の手数料としてかかるものです。

相場：1口座月額100円～

⑦ その他各社固有の費用

内容：各管理会社で独自のサービスととしてかかってくる費用があります。

例）駆け付けサービス、工事定額サービス、各種積み立て等

相場：各社のサービス内容によりますが、数百円～

賃貸管理でかかるスポットのコスト

ここからは、発生の都度かかってくる費用について記載していきます。

① 原状回復

内容：お部屋の退去後に、次の入居者のためにお部屋を綺麗にするための工事費用です。

② 小修繕

内容：室内の設備や共用部で軽微な不具合が発生した場合の修繕費用です。

相場：数千円～数十万円

③ 大規模修繕

内容：室内の主要設備の交換や、共用設備の修繕・交換、外壁塗装や屋上防水、鉄部塗装など数年～10数年単位で実施する大規模な修繕です。

相場：数十万円～数百万円（規模によっては数千万円）

④ 募集・契約時費用

内容：空室の募集や契約事務手数料、広告料や入居促進費用などです。

⑤ 更新時費用

内容：賃貸借契約の更新時に発生する事務手数料です。

相場：家賃の0.5～1か月程度

⑥ 滞納に伴う費用

内容：家賃滞納があった際に督促や訴訟、強制執行や残置物処分費用で掛かる費用です。

以上が発生の都度かかってくる費用ですが、基本的に個別見積のため相場観は見積り詳細を比較してみないと判断はつかないです。

まとめ

賃貸管理のランニングコスト7つ

①管理料
②巡回清掃費用
③高圧洗浄費用
④消防設備点検費用
⑤建物設備点検費用（受水槽、浄化槽、ポンプ、ELV等）
⑥振込手数料（送金事務手数料）
⑦その他各社固有の費用

賃貸管理のスポットコスト6つ

①原状回復
②小修繕
③大規模修繕
④募集・契約時費用
⑤更新時費用
⑥滞納に伴う費用

以上、賃貸管理でかかる標準的なコストについて記載をさせていただきました。