重説の必須項目!「津波災害警戒区域」「土砂災害警戒区域」の正しい調査と説明方法

物件の契約前にお客様へ行う重要事項説明(つまり契約前に物件や取引条件に関する重要な情報を説明すること)において、絶対に漏らしてはならない項目のひとつが「土砂災害警戒区域」と「津波災害警戒区域」の該当調査と説明です。
「賃貸でも説明義務はあるの?」「どこでどうやって調べればいいの?」と戸惑う新人営業マンも多いかもしれません。
この記事では、宅建業法(つまり不動産取引のルールを定めた法律のこと)に基づく警戒区域の説明ルールと正しい調査方法について、法律の知識がない初心者でもスッと理解できるように、日常の出来事に例えながらわかりやすく解説します。
結論:「津波・土砂災害警戒区域」の説明とは、物件の自然災害リスクをお客様に確認させること
結論から言いますと、重要事項説明におけるこれらの警戒区域の説明とは、山のキャンプ場の管理人から「このテントサイトは、大雨が降ると川が氾濫したり崖が崩れたりしやすい場所ですよ」と、パッと見ではわからない自然災害の危険性をお客様へ事前にお知らせするようなものです。
物件が津波や土砂災害の危険性が高いと行政が指定したエリアに入っているかどうかを、必ず消費者に確認させる義務が不動産会社に課せられています。
そもそもなぜ説明が必要?2つの警戒区域の基礎知識
日本は地震や台風が多く、自然災害と隣り合わせの国です。
そのため、お客様の命や財産に直結する重大な情報である「災害リスク」について、正確な説明が求められます。
土砂災害警戒区域とは
土砂災害防止対策の推進に関する法律(つまり土砂災害から国民の命を守るための法律のこと)に基づき、急傾斜地の崩壊や土石流、地滑りなどが発生する恐れがあるとして指定されたエリアのことです。
津波災害警戒区域とは
津波防災地域づくりに関する法律(つまり津波による被害を防ぐための法律のこと)に基づき、最大クラスの津波が発生した場合に、住民の生命や身体に危害が生じる恐れがあるとして指定されたエリアのことです。
どんな取引で説明が必要?売買も賃貸もすべて対象
「家を買う人だけが気にすればいいのでは?」と思うかもしれませんが、それは間違いです。宅建業法によれば、以下のすべての取引において説明義務があります。
このように、売買だけでなく「貸借(つまり賃貸で家を借りること)」の契約であっても説明が必須となります。家を借りて住むだけの人にとっても、自分の住む場所が土砂崩れや津波の危険があるかどうかは、いざという時の避難行動などに関わるため非常に重要な情報なのです。
【実践編】該当調査はどこで、どうやって行う?
では、物件がこれらの警戒区域に入っているかどうかは、どのように調べればよいのでしょうか。
調査方法を間違えると宅建業法違反になる可能性があるため注意が必要です。
自治体の窓口やホームページで「最新の指定状況」を確認する
該当しているかどうかの調査は、物件が所在する都道府県や市町村の窓口、または各自治体の公式ホームページに掲載されている警戒区域マップなどで確認することができます。
調査の際に必ず守るべき重要なポイントは以下の通りです。
これは、飛行機に乗る前に「今日の天候による揺れの予測」を毎回最新のデータで確認するのと同じです。昔の安全だったデータを見せても意味がないのです。
警戒区域の説明ルールが存在するメリット・デメリット
この説明義務ルールが存在することには、次のような意味があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | お客様が事前に土砂災害や津波のリスクを把握できるため、万が一の災害時に命を守るための避難行動をとりやすくなります。また、不動産会社にとっても「こんな危険な場所だと知っていたら契約しなかった」という入居後の深刻なクレームや裁判トラブルを未然に防ぐことができるという大きな得があります。 |
| デメリット | 不動産会社にとっては、物件ごとに各自治体の最新の警戒区域指定状況を調査する手間と時間がかかります。万が一調査漏れがあり、区域内であることを見落としてお客様に説明しなかった場合、宅建業法違反として業務停止などの重いペナルティを受けるリスクを抱えます。 |
まとめ
重要事項説明における「津波災害警戒区域」と「土砂災害警戒区域」の調査と説明方法について解説しました。
重要なポイントを箇条書きで振り返りましょう。
自然災害のリスクエリアに関する説明は、お客様の命と暮らしを守るための非常に重要な業務です。不動産業に従事する皆様は、日頃から担当エリアの自治体の情報発信をこまめにチェックし、お客様が安心・安全な不動産取引を行えるよう、確実な調査と誠実な説明を心がけましょう。
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